三越伊勢丹news|売上高・利益ともに大幅減で期中に大西洋社長退任

㈱三越伊勢丹ホールディングスは、2017年3月期の決算を発表した。

ご存知、日本の百貨店業界トップ企業で、日本小売業界では第5位。その三越伊勢丹ホールディングスの2016年度売上高は1兆2534億5700万円で、前年同期比マイナス2.6%の減収。営業利益は239億3500万円でマイナス27.7%、経常利益は274億1800万円で、マイナス25.3%、純利益は149億7600万円で、マイナス43.5%。大幅な減収減益となった。営業利益率は1.9%、経常利益率も2.2%と低減した。

グループは中長期経営計画に基づいて、付加価値の高い商品やサービスの提案や、お客との接点の拡大と充実を推進した。また、生産性向上の取り組みと連携した経費削減や、グループリソースを活用するための基盤を強化した。

セグメント別の業績は次のとおり。

[百貨店業]
百貨店業は、売上高は1兆1510億2000万円(前連結会計年度比マイナス3.1%)、営業利益は110億9300万円(マイナス48.6%)と減収・大幅減益。主力である衣料品や宝飾・時計等の高額品の動きが鈍く、購買単価の低下もあって厳しい結果となった。

EC事業は、百貨店の店頭と連動した三越・伊勢丹オンラインストアに加え、ラグジュアリーオンラインストア「NORENNORENISETANMITSUKOSHI」の新設、アリババグループの越境EC「天猫国際」への出店などを進めた。一方で、店舗は三越千葉店、三越多摩センター店、三越高崎店を2017年3月20日に閉めている。

[クレジット・金融・友の会業]
㈱エムアイカードは、外部加盟店手数料やマーケティング事業の受注が増加したが、百貨店売上高の減少に連動して前年を下回った。その結果、売上高は377億8000万円(4.3%増)、営業利益は53億8000万円(▲4.2%)。

[小売・専門店業]
売上高は560億7400万円(0.4%増)、営業損失は11億5400万円(前連結会計年度も営業損失10億5800万円)。㈱三越伊勢丹フードサービスは、クイーンズ伊勢丹におけるサプライチェーンマネジメントおよび新POSシステムのインフラ投資や、リモデル店舗にかかる一時閉鎖や初期投資などにより、減益となった。クイーンズ伊勢丹では、仙川(調布市)・品川(都内)・本八幡(千葉県市川市)の3店舗を改装、ふじみ野店を閉店している。

[不動産業]
売上高は416億7100万円(▲9.9%)、営業利益は64億4400万円(1.9%増)となった。

[その他]
情報処理サービス業の㈱三越伊勢丹システム・ソリューションズ、物流業の㈱三越伊勢丹ビジネス・サポート、人材サービス業の㈱三越伊勢丹ヒューマン・ソリューションズなどだが、売上高は773億6400万円(3.4%増)、営業利益は19億2000万円(335.9%増)。

減収減益で、期中に大西洋社長が退任した同社だが、小売業第5位の地位も、次にJフロントリテイリングが迫り、さらにユニー・ファミリーマートやアマゾンジャパンが急追する。2017年度こそ、正念場を迎えている。

検索ワード:三越伊勢丹ホールディングス クイーンズ伊勢丹 2017年 決算

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧