ヤオコーニュース|28年連続増収増益で3431億円・首都圏1都6県に154店
㈱ヤオコー(川野澄人代表取締役社長)が、待望の2017年3月期決算を発表した。
日本のスーパーマーケット業界第6位に躍進してきた。
当事業年度における営業収益は3430億6100万円で前期比5.4%の増収、営業利益は145億2000万円で4.8%増、経常利益は142億1400万円で5.0%増。当期純利益は99億2700万円でこちらは9.5%増。
28期連続の増収増益を達成。営業収益対比営業利益率は4.2%、経常利益率は4.1%。
ヤオコーにとって第8次中期3カ年経営計画の2年目で、「スーパーではなく『ヤオコー』と呼ばれる存在へ」をメインテーマに掲げた。基本方針である「ミールソリューションの充実」と「価格コンシャスの強化」をベースに、「商品・販売戦略」「運営戦略」「育成戦略」「出店・成長戦略」の4つの課題に取り組んだ。
第1の商品・販売戦略は、とくに、独自のプライベートブランド「Yes!YAOKO」および、㈱ライフコーポレーションとの共同開発プライベートブランド「star select」は、新たに108単品を発売するとともに、リニューアルによる活性化を推進した。
また、新たな産地開拓や中間物流を排除した直接買付けによる産地直送など、生鮮部門を中心に生産者と共同で鮮度・品質の向上に取り組んだ。一部の商品においては、原料から調達した商品開発、海外における産地・供給先の開拓による直輸入商品の導入など、独自化・差別化に繋がる品揃えを充実した。
販売面では、店舗における旬・主力商品の重点展開など販売力強化に注力し、商品面と両輪で「商品育成」を進めた。
一方で 、あらゆる年代層やライフスタイルを重視するお客さまからの支持拡大を図るべく、価格コンシャス強化の一環としてEDLP(常時低価格販売)政策に注力。
さらに 、「ヤオコーカード」導入から5年が経過して、FSP(フリークエント・ショッパーズ・プログラム)の活用も本格化してきた。すなわち、ターゲットをより明確にした販促企画やマーケティングを展開。なお、期末におけるヤオコーカード会員数は200万人を突破した。
第2の運営戦略は、作業工程の見直しをベースとした生産性向上モデルの水平展開を拡大した。その一方で、セルフ精算レジ導入をはじめとするIT化・機器導入、アウトソーシングによる業務効率化を重点的に推進。また 、惣菜・生鮮センターの活用度を高め、店舗での作業負担の軽減とともに、製造小売業としての機能強化によって商品価値向上を図り、商品力の強化に努めた。
第3の育成戦略は、人材育成の基盤として社内に「ヤオコー大学」を開設。入社1年目から5年目までの教育カリキュラムの体系的な整備を行なって、計画的な運用を開始した。
第4の出店・成長戦略は、4月に浦和中尾店(埼玉県さいたま市)、千葉ニュータウン店(千葉県白井市)、10月に柏南増尾店(千葉県柏市)、1月に藤沢片瀬店(神奈川県藤沢市)、3月に浦和美園店(埼玉県さいたま市)、藤岡店(群馬県藤岡市)の6店舗を開設。3月31日現在154店舗となった。また 、既存店の活性化策として、12月に中之条店(群馬県吾妻郡中之条町)、2月に行田門井店(埼玉県行田市)、3月に岡部店(埼玉県深谷市)の3店舗においてスクラップ&ビルドによるリニューアルを実施。そのほかにも既存店10店舗を大型改装した。とくに 、旗艦店舗の川越南古谷店(埼玉県川越市)では、次世代の新店舗フォーマットづくりに向けたチャレンジを数多く採り入れて、意欲的な実験を展開した。
また 、新規取り組みとして農業事業の運営に着手。埼玉県熊谷市内に圃場を借り受け、10月から収穫を開始。朝収穫した野菜はただちに店舗へ配送され、店頭で鮮度の高い状態で提供し始めた。
いずれにしても順風満帆のヤオコーには日本のスーパーマーケットを代表する企業として、さらなるイノベーションに取り組んでもらわねばならないが、やはり川越南古谷の「旗艦店改造」の成果が次代を占うことになる。
最後に2018年3月期の個別業績予想は、営業収益3540億円(対前期比3.2%増)、営業利益150億万円(対前期比3.3%増)、経常利益145億5000万円(対前期比2.4%増)、当期純利益100億円(対前期比0.7%増)。
なお、次期より連結財務諸表作成会社へ移行し、その2018年3月期通期連結業績予想数値は、営業収益4000億円、営業利益165億円、経常利益160億円、 親会社株主に帰属する当期純利益107億円と発表されている。
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