関西スーパーnews|第1Qは増収増益ながら3カ年計画最終年度は道半ば
(株)関西スーパーマーケット(兵庫県伊丹市・福谷社長)が2018年度第1四半期の決算短信を発表した。
関西スーパーマーケットグループの第1四半期連結累計期間の営業収益は303億2100万円(前年同期比3.8%増)、営業利益は2億8600万円(前年同期は2200万円)、経常利益は3億8100万円(288.1%増)、親会社株主に 帰属する四半期純利益は1億7100万円(511.0%増)となった。
その前期の2017年3月期第1四半期は、営業収益292億円(1.7%減)、営業利益2200万円(93.8%減)、経常利益9800万円(81.1%減)と大減益の結果だった。その前期に比べると、収益面での回復が見られるが、2年前の営業利益3億6700万円と今年を比べると、いまだ22.0%のマイナスであるし、経常利益5億1900万円も26.6%のマイナス。回復途上であることが分かる。
この時期は関西スーパーマーケットグループの3カ年中期経営計画の最終年度の第1四半期にあたる。前々期、前期、そして今期。3カ年を見通した政策実現に向けて、7つの基本方針に基づいて、経営活動を展開した。
第1に「営業方針」では『お客様目線の店づくり』の実現に向けて品質・価格・買物環境を追求し、「自慢の品」を中心とした価値訴求型商品の開発・育成に注力した。
第2に「経営管理方針」では、自動発注の推進、本社と店舗の作業種類の削減、セルフレジの導入店舗の拡大、物流改善、タブレットを活用した社内情報導入によって、効率化を進めた。
第3に「営業力強化行動施策」では15のプロジェクトチームを組成し、優先課題について早期に問題解決を図ることに取り組んだ。
第4に「教育方針」では、積極的に学ぶ意識の高い従業員を対象とした国内外研修の公募制度をつくり、実施した。また入社から5年程度の社員にCSRの一環として農業体験を実施しました。人材力アップによる営業力アップを目的に、全従業員の教育システム構築を進めた。
第5に「経営管理方針」では、自動発注の推進や本社と店舗の作業種類数の削減とともに、店舗設備と物流の改善に取り組んだ。また、セルフ精算レジの導入店舗拡大やタブレットを活用した社内情報伝達システムの導入など、システム導入による効率化を進めた。その結果、消耗品の物流センター配送によって、店舗での検収作業や伝票入力作業を削減した。
第6に「新規事業戦略」では、炊飯工場と青果プロセスセンターの設立を計画し、順次進めた。また新規ビジネスとして、ネットスーパーと移動スーパー(とくし丸)事業によって、リアル店舗の補完に取り組んだ。
最後に「成長戦略」として、5月に八多店(神戸市北区)をモデル店舗「中央店」型店舗へ改装し、既存顧客の利便性を高めた。さらに6月に中央店(兵庫県伊丹市)の向かいに専門店棟を新設した。また、前期に資本業務提携したエイチ・ツー・オーリテイリング(株)の「阪急の味」および「阪急ベーカリー」商品の販売を開始し、シナジー効果を高めた。
関西スーパーは今、企業力回復の途上にある。一気の回復は難しい。ベーシックなところから、少しずつ、一歩ずつの改革が望まれる。
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