ラオックスnews|上半期大幅減収減益/インバウンド狙いの「モノ+コト」強化

ラオックス(株)(東京都港区、羅怡文社長)の2017年12月期の上半期決算が発表された。
第2四半期連結累計期間の業績は、売上高281億5300万円(前年同期は350億6200万円、19.7% 減)、営業損失10億5100万円(前年同期は4億5400万円の利益)、経常損失10億4500万円(前年同期は4億1700万円の利益)であった。

ラオックスの主要ターゲットは訪日外国人観光客だが、その動向を見ると、来日手段の増加や多様化により、4月~6月(3カ月間)の訪日旅行客数が推計で722万人(前年比 21.1%増加)を記録、5月にはこれまでで最も早いペースで年間累計1000万人を超えるなど、堅調に推移している。
また、消費総額も1兆0766億円(前年比13.0%増加)と四半期で過去最高を記録している。費目別構成比では、買物代が38.5%と最も多く、次いで宿泊料金(27.5%)、飲食費(19.4%)、交通費(11.3%)の順で、前年同期と比べると大きな変化は見られないものの、訪日旅行における旅行そのものの楽しみ方が多様化してきていことがわかる。

このような追い風状況はあるものの、ラオックスの第2四半期は芳しくなかった。そこでラオックスグループでは物販事業だけではなく、「モノ+コト」の新たな取り組みを展開している。2月には、発行枚数50億枚以上とされるUnionPay(銀聯)が提供する「優計画」に加盟、さらに、ユーザー数が6億人以上とされるWeChat(微信)を通じた独自のポイント会員サービスを開始した。4月には、世界的にも有名な宝飾グループ「周大福珠宝集団有限公司(香港)」と業務提携して、ファッション性の高いジュエリーを展開、6月には、訪日外国人消費のなかでも好調な、化粧品に特化した「JCL(ジャパンコスメラウンジ)」を既存の3店舗内に展開している。

さらに、靴事業においては、製造から販売までを一貫して提供する体制、すなわちSPAを志向する。そのSPA実現に向けた連結子会社合併の取り組みも進められている。

7月には、免税店舗販売を中心とした「国内リテール事業本部」、商業施設の企画・開発・運営などを中心とした「SCディベロップメント事業本部」、コト消費コンテンツの企画・開発・運営などを中心とした「コンテンツ・サービス事業本部」、中国大陸や台湾向けのEC販売や卸売などを中心とした「MD事業本部」など、それぞれの業務の効率化と専門性を高める組織変更を行った。

事業の種類別セグメントの業績は、次の通りである。

①国内リテール事業
「モノ+コト」への取り組みと一部不採算店舗の閉鎖を行った。また、靴事業では客単価が下落した。売上高は273億1300万円(前年同期は332億4500万円、17.8%減)、営業損失は6200万円(前年同期は18億9100万円の利益)となった。

②海外事業
この事業セグメントにおいては、中国大陸・台湾 向け商品の卸売・物流体制等を再構築中である。商品の卸売について一部開始されたものの、利益を確保するまでには至っておらず、売上高は5億9100万円(前年同期は15億3700万円、61.5%減)、営業損失は1億0500万円(前年同期は3億0400万円の損失)である。

検索ワード:ラオックス インバウンド 2017年12月期 決算 第2四半期

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