イオンnews|上半期は4兆1686億円1.4%・経常利益17.0%と過去最高
イオン(株)(千葉市、岡田元也社長)は、2018年2月期第2四半期決算を発表した。
3月1日から8月31日までの業績は、営業収益4兆1686億0300万円(前年同期比1.4%増)、営業利益850億4000万円(17.5%増)、経常利益855億7100万円(17.0%増)。純利益は前年同期より95億9100万円増益の42億1800万円と黒字転換した。
セグメント別営業利益は、GMS(総合スーパー)事業、ドラッグ・ファーマシー事業、総合金融事業、ディベロッパー事業、国際事業の5事業が増益となり、連結業績に寄与した。
第1に、GMS事業は、(株)ダイエーからの承継店舗やイオンリテール(株)の継続的な損益改善により、営業収益1兆5251億6900万円(前期比▲0.2%)、営業損失は104億5900万円(前年同期より99億6000万円の増益)となった。
イオンリテールは、4店舗を新規出店した。また、品揃えやサービスの強化に向けて、39店舗で活性化を実施した。商品改革と売場改革を継続する一方で、顧客の節約志向に応える価格に努め、客数と買上点数の拡大に取り組んだ。
当期の既存店売上高は対前年同期比98.3%だが、第1四半期の対前年同期比を1.0ポイント上回った。さらに、荒利益率の継続的な改善に加え、販促費用の効率化等、経費削減の取り組みが奏功し、営業損益は前年同期差で32億6900万円改善している。
ダイエーから運営を承継したGMS33店舗は、イオンの商品・販売施策の共通化が進んだことで既存店売上高が対前年同期比100.2%と伸長し、荒利益率も1.5ポイント改善した。碑文谷店(東京都)や新浦安店(千葉県)をはじめ「イオンスタイル」への転換による既存店活性化を実施したことで、「イオンスタイル」店舗は2017年8月末日時点で48店舗となった。
イオン北海道(株)は、「地域に合わせた店づくりの推進」をコンセプトに、食品部門では、季節を味わう旬の食材や全国から厳選した上質な商品提案に取り組んだ。また、各自治体や観光協会とのタイアップによる情報発信の強化や、海外旅行博への出店等、インバウンドへの対応を強化した。その結果、売上高が過去最高(対前年同期比101.6%)を更新したほか、経費削減の取り組みが奏功し増益となった。
第2に、SM事業は、営業収益1兆6228億3700万円(100.6%)となった。営業利益は社会保険適用拡大に伴う人件費の増加や販促強化による広告宣伝費の増加等により、108億6800万円(68.9%)となったが、引き続き顧客ニーズに対応した取り組みと生産性の改善を推進した。
ダイエーは、展開地域を首都圏・京阪神地域に集中し、食品への特化を図っている。食品加工センターを活用することで生産性を改善し、経費削減を図った。毎日お買い得な「えっ!安い値!」を6月に約870品目に拡大して「EDSLP(エブリデー・セイム・ロー・プライス)」を推進し、前年同期差で約13億円の営業損益改善となった。
マックスバリュ東海(株)は、6月に店舗のパートタイマー社員が直接商品の選定・買付けを行う第5回「じもの商品大商談会」を開催し、新たに約1100品目の商品を導入して、店舗の品揃えを拡充した。また、店舗周辺の各自治体と連携して、健康や栄養をテーマとした「食育キャンペーン」を実施した。当期は、健康志向の高まりに対応した商品提案やイートインコーナーの拡充など、顧客ニーズに対応する店舗の実現に向けて、3店舗を新規出店し、11店舗の活性化を実施した。
第3に、ドラッグ・ファーマシー事業は、営業収益3411億9700万円(109.5%)、営業利益138億6900万円(129.1%)となった。順調な増収増益である。
第4に、総合金融事業は、営業収益1979億2800万円(107.7%)、営業利益329億3400万円(同103.6%)となった。これも増収増益。
第5に、ディベロッパー事業は、営業収益1649億4500万円(106.1%)、営業利益235億1500万円(113.1%)となった。着実な増収増益だ。
第7に、サービス・専門店事業は、営業収益3977億8400万円(101.4%)、営業利益152億4000万円(96.2%)となった。
第8に、国際事業は、営業収益2039億3800万円(99.3%)、営業損失12億4300万円(前年同期より22億8700万円の増益)となった。
グループ共通戦略では、「既存事業の収益構造改革(イオンリテール、ダイエーの収益構造改革)」と「新たな成長に向けたグループ構造改革(グループ事業構造の改革、事業基盤の刷新)」の2つの改革に取り組んだ。
6月には、ハノイ市人民委員会(ベトナム)と「ハノイ市における投資および事業推進に関する包括的覚書」を締結した。大型ショッピングモール開発や小売り、金融・サービス等の事業展開を通じて、同市の経済活性化と地域の一層の発展に向けて、これまで以上に連携していく。
7月には、「イオンCOOL CHOICE宣言」を発表した。これに先立ち4月には、農産物、畜産物、水産物、紙・パルプ・木材、パーム油について「イオン持続可能な調達方針」および「持続可能な調達2020年目標」 を策定するなど、事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでいる。
PB「トップバリュ」では、持続可能な漁業で獲られた水産物であることを示すグローバル認証・MSC認証を取得した「トップバリュ グリーンアイ ナチュラル一本釣りびんちょうまぐろ/子持ちししゃも」を7月に発売した。8月には、「食物アレルギーがあっても家族全員、同じものを食べたい」という顧客の声を受け、特定原材料7品目を使用せず「家族みんなで食べられる、手軽でからだにやさしく安全な食事」をコンセプトに企画開発した「トップバリュやさしごはん」シリーズ第2弾5種類を発売した。
8月には、顧客の節約志向の高まりに対応するため、「トップバリュ」の中から、パックごはんやトイレットペーパーなど、毎日の生活に必要な商品114品目の値下げを実施した。また、共働き世帯の増加を見据えたデリカ部門やイートインを強化し、高齢化社会に対応したサービスの充実も同時に推進した。
通期の連結業績を上方修正し、営業収益8兆3000億円(前期比1.1%増)、営業利益2000億円(8.3%増)、経常利益2000億円(6.8%増)、純利益150億円(33.3%増)を見込んでいる。
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