H2Onews|第3Q 円安・株高・インバウンドで6892億円1.3%の増収増益
エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、鈴木篤社長)が2018年3月期の第3四半期の決算を発表した。
売上高6892億0600万円(前年同期比1.3%増)、営業利益179億7500万円(4.9%増)、経常利益196億4500万円(18.1%増)、四半期純利益151億9400万円(5.2%増)。経常利益は為替差益の計上や受取配当金の増加により大きな伸び率になっている。
円安・株高で堅調な国内消費に加え、外国人観光客の購買が回復基調に転じた百貨店事業がグループ全体を牽引した結果、増収増益となった。
エイチ・ツー・オーリテイリンググループでは、第3四半期から報告セグメントを従来の「百貨店事業」「食品事業」「不動産事業」「その他事業」の4区分に、「神戸・高槻事業」を加えた5区分に変更している。これは(株)そごう・西武のそごう神戸店と西武高槻店の事業を譲り受けたことによる。
小売3事業の業績を見てみよう。
主力の百貨店事業。売上高は3320億5100万円(4.6%増)、営業利益138億6500万円(18.2%増)となった。
阪急梅田本店は、広域からの集客で好調を維持している。インバウンド需要は、従来から好調な化粧品に加え、ジュエリー、時計といった高額品も復調して、大きなかさ上げとなった。国内需要も、2016年春に改装を行った婦人服売場を中心に客数が増加した。この結果、阪急メンズ大阪を含めた阪急本店の売上高は1782億5500万円(9.2%増)と二ケタ近い伸びを示している。
建て替え工事中の阪神梅田本店は、客数が伸び悩んでいるが、食品が前年を上回り、人気催事が好評であったことなどから、売上高は415億1600万円(0.3%減)と微減にとどめた。堺、北花田阪急が2017年7月に閉店したが、2017年11月に、開業以来最大規模の改装が完了した博多阪急と、ライフスタイル提案型の売場を強化した西宮阪急が好調に推移したため、支店合計の売上高は前年並みとなった。
新たに加わった神戸・高槻事業は譲り受けた2017年10月1日から12月末までの3カ月の業績だ。売上高は126億8200万円、営業利益は5億0800万円。
そして(株)イズミヤと(株)阪急オアシスの食品事業は、売上高2964億2800万円(6.1%減)、営業利益8億1400万円(79.8%減)の減収減益だ。ただし減収は、イズミヤの営業店舗減少による影響が大きい。また、営業利益も人件費の負担増等で減益となった。
イズミヤでは、「GMS店舗」の見直しを中心とした店舗再編を進めている。今期は建て替え工事を6店舗で、食事業強化を軸とした改装を4店舗で実施した。阪急オアシスは3店舗の新規出店を行っている。
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