クリエイトSDnews|2/7川崎市のゆりストア5店舗を買収して子会社化
(株)クリエイトエス・ディー(横浜市、廣瀨泰三社長)が、百合ヶ丘産業(株) (川崎市、笠原勝利会長・森谷重義社長)を買収する。2020年2月7日付けで、全株式を取得して、子会社化する。取得株式数は68万0941株で、所得割合は100%。
(株)クリエイトSDホールディングス廣瀨泰三社長。
クリエイトエス・ディーの親会社クリエイトSDホールディングスが役員会で決議して発表した。クリエイトエス・ディーは、関東・東海地区でドラッグストアと調剤薬局を651店舗展開する。競合激化するドラッグストア業界で、ドミナント戦略を堅持して、小商圏主義を貫く。小商圏・高占拠率を狙うためには、当然ながらドラッグストアと言えども食品の品揃えが必須で、同社の食品部門は一般的なスーパーマーケットや生協にも肩を並べるほどだ。
一方、百合ヶ丘産業は、神奈川県の川崎市麻生区と多摩区内に「ゆりストア」を5店舗展開する。1960年(昭和35年)の創業で、小田急線の百合丘駅前に第一号店を開業して、ゆりストアと命名した。スーパーマーケットとしては老舗に入るが、シジシージャパンに加盟している。
百合ヶ丘産業(株)笠原勝利会長。
中小型店の5店舗は、川崎市麻生区に百合丘本店をはじめ、王禅寺店、千代ヶ丘店、多摩区に生田店、星が丘店を運営する。
クリエイトSDはドラッグストアと食品スーパーの複合出店や、食品販売のノウハウ共有による「シナジー」効果を狙うと表明している。
■百合ヶ丘産業株式会社 概要
商号/百合ヶ丘産業株式会社
事業内容/食品スーパー「ゆりストア」の運営
設立年月日/1960年(昭和35年)4月6日
本店所在地/神奈川県川崎市麻生区百合丘一丁目1番
代表者の氏名/代表取締役会長 笠原勝利 代表取締役社長 森谷重義
資本金/5000万円
決算期/2月末日
直近の売上高/44億0900万円(2019年2月期)
店舗数/5店舗
【結城義晴の述懐】
クリエイトエス・ディー651店・2863億円、ゆりストア5店・44億円。業態は違うけれど、どちらも神奈川県を本拠とする。クリエイトエス・ディーの食品は充実している。若尾鐵志郎前社長がダイエー出身で、食品事業にも明るかったことが奏功して、ドミナントエリア戦略と食品強化が同社の強みとなった。そのドミナントエリア作戦において、川崎市の麻生区・多摩区のゆりストアは効果を発揮するだろう。ドラッグストアがスーパーマーケットを買収する案件は、これからも次々に起こってくるに違いない。しかしシジシージャパンは何とか仲間を引き留められないか、救えないか。あるいは経営統合などの策は打てないか。とはいっても、いつも私が主張するように、ゆりストアの幹部や社員には「商人の本籍地と現住所」の考え方をしっかり持って、幸せになってほしいものだ。ゆりストアの笠原勝利会長は常々、「4つの幸せ」を標榜し、その第3番目に「従業員の幸せ」を語っていたのだから。