Weekly Review|秋商戦本格化/「値上げの秋」「短い秋」「防災」が柱

8月中旬以降、チェーン各社の秋向けの施策がスタートした。そして、値上げの秋となる。帝国データバンクによると9月の飲食料品の値上げ品目数は4531品目。2026年内としては最多となり、大規模な値上げラッシュとなる。8月24日(月)から28日(金)に公開された流通スーパーニュースから、各社の秋向けの施策の傾向をまとめた。

各社の営業施策は「味覚の秋」よりも「価格」と「体調管理」を軸にした点が特徴だ。

イオンは9月2日から、トップバリュ145品目を対象に日常的に購入される食品・日用品の値下げを実施する。

イオンはすでに5月からトップバリュ約3500品目を対象に価格凍結を実施していたが、期間を8月末までだった。値上げラッシュを控えて、引き続きの価格政策の展開となる。また、9月16日から増量企画商品115品目を展開する。期間限定、数量限定となるが、イオンの仕掛けの早さが目立つ。

また、今年の特徴として、コンビニ大手3社が揃って、米飯商材の価格政策を展開する。

セブン-イレブンが9月8日からおにぎり2品目を17円引き下げる。ファミリーマートが増量弁当の販売を8月25日から9月7日まで、ローソンが9月29日から全品10円おにぎりの値下げを実施する。米相場の低下に対応した施策だが、生活者の“毎日の食事”となる商材の値下げは、生活防衛の拠点としてのアピールになる。

秋物衣料は従来の「気温が下がったら売れる」というシーンから大きく変化している。暑い夏と寒い冬に挟まれて、秋と春が短くなる“二季時代”に対応した商品展開と販売がみられる。

しまむらは8月24日(月)から、オンラインストア「しまむらパーク」で「アベイル 秋冬トレンドフェア」を開催している。「ボトム&シューズ」「トレンドアウター」「インフルエンサー&キャラクター」のテーマを各2週間、3回に分けて実施している。オンライン限定で店頭在庫リスクの軽減につながる。

疲労回復ウェアの投入は今年の象徴。季節よりも“生活改善”に対応した商品。イオンはリカバリーウェア「トップバリュ EX セリアント」シリーズから「アウターTシャツ」を発売する。デザイン監修は、環境メッセージを発信し続けるデザイナーのキャサリン・ハムネット氏が担当するなどファッション性も高い。

青山商事は、秋色を打ち出しながら、通気性や清涼感に優れた夏素材を使った「秋色夏素材」のブラウスアイテムを展開している。短い秋でも売れる“通年性のある快適アイテム”。

また、8月末にジャバラ構造のビジネスバッグを発売した。猛暑対策やセルフケア意識からマイボトルや日傘、UV ケア用品、ハンディファンなどのさまざまな形状やサイズの「ケアアイテム」をスマートに整理できるような構造のバッグ。

コンビニもアパレルに積極的だ。ファミリーマートのブランド「コンビニエンスウェア」を展開しているが、今秋は「 トップスの品揃え強化」「コラボアイテムの拡充」「ペット用品の初展開」 という3つの戦略を打ち出している。

トップスは、長袖アウターTシャツやスウェットトレーナーのサイズ・カラー展開を広げた。機能性インナー「リヒート」は、通常品の約2倍の保温性がある素材を採用することでアウターとしても着用できる。コンビニ衣料は単なる間に合わせ用途のインナー中心から変容している。

セブン-イレブン・ジャパンはアンドエスティとのコラボレーションでオリジナル衣料品を投入する計画。9月8日に発表会が予定されている。

トップランナーのユニクロは、9月11日から秋冬コレクションを展開する。メインブランドである「Uniqlo U」は、2016年のスタートから10年を迎える。デザイナー・クリストフ・ルメール氏とサラ‐リン・トラン氏が率いる最後のシーズンとなり、ブランドの締めくくりとなる。

また、秋は台風シーズンである。近年、災害級の大雨被害のリスクが高まっている。8月30日(日)から9月5日(土)の防災週間に対応して、大創産業の「ローリングストック」提案が秀逸だ。

災害発生から人命救助の成否を左右する「発災後72時間」に着目し、時間軸別に必要な防災対策と備蓄品をまとめた「時間軸別 DAISO おすすめ防災グッズ」を提案している。

発生直後に使えるヘッドライト、長時間発光ライト、簡易トイレ、3時間から24時間以内に必要となる給水バッグ、ポータブルバケツを展開する。

秋商戦が短期化しているが、生活者の意識とシーンに密着した各社の工夫が出ている。

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