9月商業動態統計|商業販売額1%増/小売業11兆5280億円2.1%増
9月度の商業動態統計速報が経済産業省から発表された。
「卸売業」と「小売業」を合わせた商業販売額は38兆3380億円で、前年を1.0%上回った。季節調整済みでは1.7%減。
卸売業の販売額は、26兆8100億円で0.5%増収。季節調整済みは1.2%減収。そのなかで、大規模卸売店の販売額は10兆7310億円で1.3%マイナスだった。
小売業の販売額は11兆5280億円で2.1%増。季節調整済みでは0.2%減。商品別に見ると、飲食料品小売業など6業種が増収。前年を下回ったのは、無店舗小売業など3業種。
業態別に見てみよう。百貨店とスーパーは既存店の伸び率も発表されている。
[百貨店]
全店売上高4600億円で▲3.8%(既存店▲2.6%、以下同じ)。季節調整済みは3.7%のマイナス。
主力の衣料品は▲5.0%(▲4.0%)と苦戦。婦人・子ども服・用品▲6.1%、紳士・用品▲2.3%。飲食料品は▲2.7%(▲1.0%)。
[スーパー] 〈総合スーパーと大手食品スーパーマーケット〉
全店売上高1兆0536億円で3.5%増(1.7増)。季節調整済みは1.4%増。
主力の飲食料品は4.9%増(2.9%増)と好調。衣料品は▲4.3%(▲3.7%)と低迷した。つまり衣料品は総合スーパーも百貨店も苦戦した。
[コンビニエンスストア]
売上高の合計は1兆0222億円で4.5%伸長。
商品販売額合計は9703億円、5.2%プラス。内訳は、ファストフード0.1%減、加工食品は0.0%と横ばい。非食品は16.7%と二桁増。これは10月のたばこの増税に伴う駆け込み需要によるもので、日本フランチャイズチェーン協会の「統計調査月報」でも報告されている。サービスは7.2%と大幅な減収。また、店舗数は5万6303店で0.1%減少している。
[家電大型専門店]
全店販売額は、3392億円で7.4%増。
通信家電が23.0%で大幅な伸び。AV家電9.2%、生活家電9.0%は二桁に届く勢い。カメラ類は二桁減で▲10.3%と苦戦した。
[ドラッグストア]
全店販売額は5176億円で4.6%アップ。
9カテゴリー中、食品の9.0%をはじめ、7カテゴリーは前年を超えた。ヘルスケア用品・介護・ベビーと調剤医薬品は減収した。店舗は4.9%増えて1万5567店舗となった。
[ホームセンター]
販売額は、全店で2593億円と3.4%増加した。
電気22.9%、DYI用具・素材9.2%など7カテゴリーが増収。一方で、園芸・エクステリアとオフィス・カルチャーは減収となった。店舗数は0.9%増加して、4330店舗となった。
小売業の業態別前年比を伸長率の高い順に並べる。
家電大型専門店 +7.4%
ドラッグストア +4.6%
コンビニエンスストア +4.5%
スーパーマーケット +3.5%
ホームセンター +3.4%
百貨店 ▲3.8%
百貨店以外の5業態は前年を上回り、伸び率も高い。9月は地震や台風など自然災害が多く、被害が出た一方で災害特需も発生した。とくに家電大型専門店やホームセンターは災害特需で潤った。