タキイ種苗news|野菜消費者調査/平成野菜3冠「はやり・代表・定着」はパクチー
タキイ種苗(株)(京都市下京区、瀧井傳一社長)は、2018年の年末を前に、310人の男女を対象に「野菜」に関する調査をインターネットで実施した。
今年で4回目となるこの調査では、「2018年の野菜」の総括に加えて、平成最後の節目の年として30年間を振り返って、野菜の変化や流行などについて明らかにした。
<2018年 野菜の総括>
気候、災害の影響が大きかった2018年は、「例年に比べて野菜の値段が高かった」と思う人は77.7%で、昨年より12.2ポイント上昇した。また、「例年に比べて高いと感じた野菜」は1位「キャベツ」(39.0%)、2位「白菜」(33.5%)、3位「レタス」(31.9%)と、特に葉物野菜に対する値上がり感が大きかった。
「キャベツ」は「例年に比べて高いと感じた野菜」の1位であったにもかかわらず、「今年食べる機会が多かった野菜」でも、2015年から3年連続で1位だった「たまねぎ」を抜いて1位になった。また、「値段が高くても買う野菜」でも1位にランクインした。「キャベツ」は値段の高騰を受けつつも、多くの人が購入していた野菜だった。
今年の野菜の高騰を受けて、創意工夫したことを自由記述形式でたずねたところ、以下のような回答が寄せられた。
・「白菜をキャベツに替えたり、ほうれん草を小松菜に替えたりした」(20代女性)
・「レタスや白菜に比べるとキャベツの方が安いので、サラダや鍋にはキャベツを使うようにした」(30代女性)
・「高騰した野菜はなるべく買わずに、安定して安いもやしやキャベツで代用かさ増しした」(30代女性)
・「キャベツを1個買って、いろいろな料理をつくった」(60代女性)
カット野菜の購入理由のトップ3は、1位「一度に使う量がちょうどいい、使い切れる」(56.6%)は昨年より4.1ポイント上昇、2位「料理の時間が節約できる」(48.5%)は9.1ポイント上昇、3位「値段が手ごろ」(40.0%)は3.8ポイント上昇と、昨年から順位の変動はないが、それぞれ購入する理由が多くなっている。
男女別では、全体で一番多かった「一度に使う量がちょうどいい」(男性57.0%、女性56.2%)と「料理が苦手だから」(男性7.0%、女性5.8%)以外では全ての項目で女性の方が意識している人が多いという結果になった。特に「生鮮野菜の値段より安かった」は22.0ポイント、「料理の時間が節約できる」は19.3ポイント、「値段が手ごろ」は14.6ポイントの差が男女で開いている。男性の多くは「一度に使い切れるもの」など特定の理由でカット野菜を購入しているのに対し、女性は値段や料理時間の節約などそれ以外のメリットも意識しながら利用している。
「これから取り入れたい、注目している野菜」の1位は、「季節の野菜」(37.7%)で約4割となり、昨年より4.5ポイント高い結果となった。
2位の「スプラウト」(17.4%)は、「新元号ではやると思う野菜」でも1位になっており、注目度の高さがうかがえる。また3位「ハーブ」(12.6%、昨年4位)、4位「機能性野菜」(12.3%、昨年5位)はともに昨年より順位を上げた。
野菜の栄養分を効率よく摂取できる「機能性野菜」は、昨年より3.3ポイント上昇しており、「野菜を選ぶとき、含まれる栄養素を意識するようになった」が46.1%と半数近くになったことからも、効果的な栄養分の摂取を意識する人が増えてきているようだ。
<平成を振り返って>
「平成にはやったと思う野菜」では、1位「パクチー(コリアンダー)」(50.3%)、2位「アボカド」(43.9%)、3位「フルーツトマト」(32.6%)だった。なかでもパクチーは半数を超え、近年の流行が多くの人の印象に残っているようだ。5位は「モロヘイヤ」(22.3%)。
「平成を代表すると思う野菜」は、1位「パクチー(コリアンダー)」(34.5%)、2位「アボカド」(30.3%)がともに30%を超え、ズッキーニと同率で4位には「水菜」(11.0%)がランクインしている。
「平成になってから定着したと思う野菜」は、1位「パクチー(コリアンダー)」(38.4%)と2位「アボカド」(37.1%)が接戦となった。5位は「ケール」(15.8%)。
2019年5月より始まる新元号で、どんな野菜がはやると思うかという質問では、「スプラウト」(14.8%)と予想する人が一番多かった。
2位の「パクチー(コリアンダー)」(14.2%)、3位の「フルーツトマト」(13.2%)は、上記の平成の野菜に関するランキングでもトップ3に入っており、引き続き流行することが予想される。
平成の野菜を振り返って、「1年中出回る野菜が増え、野菜の『旬』がわからなくなった」と回答した人は、全体で65.5%となった。
性年代別での傾向を見ると、女性では年代が上がるほど「野菜の『旬』がわからなくなった」と感じる人の割合が増え、男性でも実感している人の割合は60代(67.7%)が最も多くなっている。
「野菜を買う手段が増えた」と感じている人は、全体では58.1%だった。平成に入ってからコンビニやドラッグストアなども野菜を取り扱い始め、オンラインでの購入なども普及したことがその背景にあると考えられる。男女とも、若い年代の方がより「野菜を買う手段が増えた」と感じている人が多い。
「野菜を選ぶとき、含まれる栄養素を意識するようになった」人は、全体で46.1%と、半数近くに達した。性年代別に見ると、女性の30代(61.3%)と50代(64.5%)が高い割合となった。全体的に女性の方が野菜に含まれる栄養素への意識が高く、子育て世代の30代や、自身の健康意識が高まるミドル世代では特に野菜の栄養素を意識するようだ。
■タキイ種苗 野菜に関するアンケート調査 概要
調査期間/2018年11月8日(木)~11日(日)
調査方法/インターネット調査
調査対象者/全国の20~69歳の男女
有効回答数/310サンプル