2月外食産業統計|売上高4.8%増/新型コロナで持ち帰り需要増加

日本フードサービス協会によれば、2月の外食全体の売上高は104.8%と前年を上回った。

2月は、持ち帰り需要に支えられFF(ファーストフード)業態が引き続き牽引した。一方、DR(ディナーレストラン)・居酒屋業態は、インバウンドや宴会需要の減少から、月の後半、特に政府から大規模イベントなどの自粛要請が行われた最終週以降は、客足が減少した。だがうるう年と祝日が増えたこと、土曜日が1日多い曜日周りも幸いし、全体の売上高は104.8%と前年を上回った。

新型コロナウイルスの影響は、2月後半から大幅な落ち込みが始まり、極めて深刻な状況だ。3月に入り、居酒屋、ディナーレストラン、ファミリーレストランなど売上げが5割以上落ち込むチェーンもあり、休業・営業時間短縮を余儀なくされている店舗も多い。

地域的には、とくに北海道が厳しく、全店舗の3分の2が休業に追い込まれるなど、札幌市内の売上げが7割減というチェーンも出ている。また、2月に入り、中国人観光客のインバウンド需要がなくなり、外食店舗は売上げが大きく落ち込んでいる。さらに、ショッピングセンターなどの商業施設での来店者数が減少し、フードコートを含むテナント店の売上げも大きく減少している。3~4月は、例年なら歓送迎会シーズンだが、キャンセルが相次ぎ、予約が入らない状況にある。

ファーストフードの全体売上高は109.8%と前年を上回った。ファーストフードの中でも「洋風」は、期間限定商品やランチメニューに加え、テイクアウト、宅配、ドライブスルーなどが好調で売上高は114.0%。「和風」は、牛丼各社で電子決済の40%還元キャンペーンが好調で、売上高は108.6%。「麺類」も同じく電子決済還元や肉増量メニューなど各種キャンペーンが好調で、売上高104.7%。「持ち帰り米飯・回転寿司」は、下旬以降、弁当の持ち帰りが伸び、売上高105.8%。「その他」は、「アイスクリーム」も電子決済還元など各種キャンペーンが好調で、売上高108.5%となった。

ファミリーレストランの全体売上高は前年同月比102.0%。「洋風」と「和風」は、月後半を中心に新型コロナの影響で客数が減少した。一方、うるう年や休日増などの特殊要因に助けられ、売上高は「洋風」97.0%、「和風」96.1%。「中華」は、餃子などのテイクアウトが好調で、売上高は107.7%。「焼き肉」は、メディア露出や半額キャンペーンが好調で売上高は124.4%。

飲酒業態は、立地や客層により新型コロナの影響に差があり、若年層やプライベート需要の多い店では影響が比較的少なかった。一方、観光地立地や法人の宴会需要が多い店は月後半を中心に大きな打撃を受けた。自粛要請が出された2月最終週以降は、多くの企業で売上げが落ち込んだが、うるうによる日数増などに助けられ、「パブ・ビアホール」は売上高90.4%、「居酒屋」は売上高95.2%と踏ん張った。

ディナーレストランも、新型コロナの影響で観光地立地や法人の宴会需要が中心の店は売上高97.4%。とくに2月最終週に売上げが落ち込む企業が多く、3月にはさらなる打撃が予想される。

喫茶は価格改定などで単価が上昇しているが、新型コロナの影響で商業施設立地の店舗を中心に客足が落ちて、売上高は98.9%となった。

調査対象企業数は205社。店舗数は3万9662店舗。

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