9月SC統計|既存SC売上高は増税駆け込み特需の反動で21.6%減

一般社団法人日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)から、9月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が発表された。

既存店売上高は前月から2.8ポイント悪化し、前年同月比21.6%減となった。新型コロナウイルスの影響に加え、前年が消費増税前の駆け込み需要で8.3%増と大幅なプラスだった反動が見られた。

テナントは前年同月比21.9%減となったが、前月と比較すると0.8ポイントの微減だった。9月16日にGoToトラベルの対象に東京発着が10月1日から追加されることが発表され、9月19日にイベント人数制限が緩和されると、一気に自粛緩和の機運が高まって19日からの4連休で人出が増加した。また、下旬にかけて気温が低下したことで秋物商品にも動きが見られ、中心地域に立地するSCでは回復の傾向が見られた。

一方、キーテナントは前月から11.4ポイント減少して前年同月比20.4%減となった。前年好調だった化粧品や貴金属などの高額商品を取り扱う百貨店や、家庭用品・日用品の買い溜めが見られた総合スーパーの反動により、大きく落ち込んだ。

立地別・構成別(表1)を見ると、中心地域・大都市は総合で前年同月比33.7%減と全立地の中で最大のマイナスとなったが、自粛緩和の流れを受けて回復の傾向も見られた。テナントは前年同月比32.0%減で前月と比較して1.9ポイント増と全立地・構成の中で唯一改善した。また、キーテナントは消費増税の反動が大きく、前年同月比44.5%減で前月より7.4ポイント悪化したものの、中心地域・中都市の前月比13.1ポイント減、周辺地域の前月比10.8ポイント減と比較すると下げ幅は小さかった。

立地別・地域別(表2)を見ると、中心地域全体では前年同月比30.4%減と前月から0.4ポイントとわずかに悪化したものの、全9地域のうち、北海道、関東、中国の3地域を除く6地域で前月を上回り、全国的に回復の兆しが見られた。なかでも九州・沖縄は台風の接近で一部のSCが臨時休館となり前年同月比32.5%減となった。前月との比較では、4連休に実施した販促イベントに加え、気温の低下が重なって秋物商品に動きが見られた。前月大幅に落ち込んだ福岡市内のSCを中心、前月比9.1ポイント増と全9地域の中心地域の中で最も改善した。

前月大幅に落ち込んだ福岡市と名古屋市は前年同月比でそれぞれ31.6%減、29.7%減となったものの、感染者数の減少が消費マインドの改善につながり前月比総合では、それぞれ9.5ポイント増、7.5ポイント増と他地域・都市と比較して大幅な改善が見られた。

業種別に見ると、イベントの人数制限緩和に伴い販売席数を拡大したシネマが回復傾向を見せたほか、お彼岸が4連休だったこともあり、生花に動きが見られた。一方で、貴金属などの高額商品や化粧品、コンタクトレンズなど、前年に駆け込み需要が見られた商品では反動が大きかった。

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