2月百貨店統計|売上高3172億円0.7%減/地方は全地区で前年割れ
(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2022年2月の「百貨店売上概況」を発表した。調査対象は73社189店で、前月から変化なし。
2月の売上高は3172億1624万円で既存店前年同月比0.7%減と、5カ月ぶりにマイナスとなった。客数も2.9%減で4カ月ぶりにマイナス。なお、2019年比では売上高11.7%減、入店客数28.2%減で依然として厳しい状況が続く。
新型コロナ変異株の感染急拡大に伴うまん延防止等重点措置の延長や、大雪など天候与件から、主要顧客層の外出自粛気運が高まったことに加え、消費マインドの低下も影響した。増勢が続く高額商材や各社が企画した外商顧客・会員向け施策、バレンタインなどの季節催事は好評だったものの、前年実績をクリアするには至らなかった。
顧客別では、国内市場はは0.7%減、インバウンドは3.6%減だった。
地区別では、大都市の東京、名古屋、京都、大阪、福岡5地区で前年を超えて2.0%増と、5カ月連続でプラス。地方は7.4%減で、全地区で前年割れとなった。
商品別では、引き続きラグジュアリーブランドや、時計・宝飾などの高付加価値商品が高伸し、身のまわり品がプラス11.3%、美術・宝飾・貴金属がプラス10.0%で二桁の伸びを示した。食料品は、外出自粛による家飲み需要から酒類が堅調だった。バレンタイン商戦では、ECの伸びが店頭をカバーし好調に推移した。複数種類を展開した恵方巻も動き、食料品全体ではプラスマイナス0.0%と前年実績を確保した。一方、衣料品は低気温など天候与件もあり、6.0%減。とくに春物衣料品が苦戦した。