10月外食統計|前年同月比114.8%・19年比105.5%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が10月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は230社、店舗数は3万6996店舗。ファストフードは2万1243店舗で全体の58.0%を占める。
10月の全体売上高は前年比114.8%と13カ月連続で前年を超えた。19年比では105.5%となった。新型コロナ第7波が峠を越え、月後半にかけて客足に回復の動きが見られたことで、「緊急事態宣言」等の影響を受けた前年を上回った。
ファストフード業態の全体売上高は109.9%、19年比では118.0%。堅調なテイクアウト・デリバリーに加えて店内飲食も回復している。
「洋風」は、秋の定番メニューと新商品が好調で110.8%。19年比では135.9%とコロナ以前よりも大きく伸ばした。「和風」は朝食の販促とデリバリー増加で、期間限定メニューが奏功し売上げ111.0%。「麺類」は季節限定メニューが好評で売上げ113.0%、19年比は98.8%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、価格改定やサイドメニューによる売上押上げ効果もあって、売上げ105.1%となった。「その他」は、「アイスクリーム」はハロウィンキャンペーンにより都心部のイートインが回復し、売上げは107.1%、19年対比では103.2%であった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは、前年比120.3%、19年比では96.7%。平日を中心にした夜間の集客が依然として伸び悩んでいる。
「洋風」は昼間客数が順調に回復し、売上げ121.3%、「和風」はインバウンド需要の回復もあり120.6%となった。「中華」はテイクアウト・デリバリ―が好調で売上げ118.3%。「焼き肉」は、客数回復が大きく売上げ118.2%、19年比でも121.2%となった。
「パブ・居酒屋」業態は、売上げ149.7%。19年比では63.4%。個人客中心に回復基調にあるが、法人の宴会需要や夜間の二次会需要の戻りが厳しくなっている。
ディナーレストラン業態は、売上げが124.8%。個人需要や観光立地での法人外国人客も戻り始めたが、人手不足もあって営業時間の拡大もできずに19年比は93.4%に留まった。
喫茶業態は、価格改定や季節限定メニューの導入で客単価が上昇し、売上げは119.0%となった。ただし夕方以降の集客が芳しくなく、19年比では90.0%であった。