2月SC統計|既存SC売上高19.9%増/外出機運の高まりで約20%伸長
(一社)日本ショッピングセンター協会(東京都文京区、清野智会長)が2月の「SC販売統計調査」を発表した。既存SC売上高は前年同月比伸長率プラス19.9%。調査サンプル数は、496SC。
前年同月は全国的にまん延防止等重点措置が発出され外出自粛傾向が高まっていたが、今年は行動制限がなかったことや、全国旅行支援により外出機運が高まったことで来館者数が増え、前年超えとなった。節分やバレンタインなどのイベント需要に加え、卒業式や入学式などセレモニー関連のオケージョン需要も高まったことで、全国的に約20%の伸長となった。
2019年ではマイナス2.8%とコロナ禍前を下回っているが、一部2019年を上回る地域やSCもみられた。
立地別に見ると、とくに中心地域の大都市が好調だった。
中心地域・大都市は総合でプラス35.9%となった。都市規模別で見ると、札幌市、京都市、大阪市、福岡市はテナントの前年比伸長率が40%を超えた。
中心地域・中都市は総合でプラス19.2%となった。節分やバレンタインなどの季節商品が好調だったことに加え、全国旅行支援による旅行客の来館が売上げを押し上げた。
周辺地域は総合でプラス16.1%となった。前年の行動制限の反動と新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことで、来館が増えているとの声が聞かれた。
地域別では、全地域プラス。北海道は、総合でプラス67.4%となり、テナント、キーテナントともに他地域と比較して最も伸長率が高かった。県外からの旅行客やインバウンド客の来館に加え、3年ぶりの開催で175万人が訪れた「さっぽろ雪まつり」による影響が大きかった。
関東は、総合でプラス17.5%となった。節分やバレンタインなどの季節商品が高稼働し、売上増につながったSCが多くみられた。また、東京区部ではインバウンド客の来館が多いとの声が聞かれた。
近畿は、総合でプラス18.9%となった。中心地域は34.0%となり、旅行客などの来館者増加で大阪市、京都市を中心に高い伸長率となったSCが多かった。
業種別に見ていくと、「飲食」は、前年同月にまん延防止等重点措置が発出されていた反動、旅行客などの来館者数が増えたことに加え、新型コロナウイルスの感染状況が落ち着いてきたことにより好調だった。若年層や家族連れを中心にランチタイムが賑わいを見せる一方、ディナータイムの戻りについては地方により差が出ている。
「ファッション」は、月の前半に気温が低下したことで冬物商材の消化が進み、気温が上昇した月後半には春物商材が高稼働したSCが多かった。また、卒業式や入学式などのセレモニー需要が高まったことでオケージョンニーズに対応した商品が好調だった。インバウンド売上げとしては、アウターやスニーカーが好調だとの声が聞かれた。
国内外の旅行客の来館により、土産品として食物販や医薬・化粧品が好調だった。