3月外食統計|全体売上げは前年同月比118.8%・19年比101.5%
一般社団法人日本フードサービス協会(東京都港区、近藤正樹会長)が3月の外食産業市場動向調査を発表した。調査企業数は223社、店舗数は3万6589店舗。ファストフードは2万1190店舗で全体の57.9%を占める。3月の全体売上高は前年比118.8%、19年比でも101.5%となった。
好調の要因は主に歓送迎会や春休みのシーズンで個人や家族客、中小宴会が増加したことだが、大規模宴会や夜遅い時間帯の集客はまだまだ弱い。
ファストフード業態の全体売上高は110.9%、19年比では113.2%。「洋風」は、コロナ全盛期ほどの伸び率ではないが引き続き堅調に推移し、売上げ108.6%。「和風」は、消費意欲の高まりが押し上げ、売上げ112.8%。「麺類」も、値上がり基調が消費者に浸透し売上げ119.2%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、年度の変わり目の歓送迎やWBC観戦などでテイクアウト需要が増え、売上げ108.4%となった。「その他」は、人流の回復とともに、「アイスクリーム」が引き続き再来店を促すクーポンを配布するなどで客数が増加、売上げ115.2%となった。
ファミリーレストラン業態の全体売上げは、前年比126.2%、19年比では93.3%。年明けからの堅調な流れとともに、コロナ規制の大幅緩和で春休みの家族客が増え、「洋風」は売上げ124.6%、「和風」は売上げ125.3%。「中華」は、消費の回復促進を目指したキャンぺーンを展開するなどで、売上げ120.4%。「焼き肉」は、春休み・卒業シーズンで団体客が戻り、売上げは139.7%と大幅に増加した。
パブ・居酒屋業態は、個人客やインバウンド需要の堅調が続き、送迎会シーズンの中小宴会が回復傾向で、売上げは189.4%に跳ね上がった。だが、コロナ前のような大規模宴会は戻りが鈍く、二次会需要もほぼ見られず、店舗数自体もコロナ前の70%弱にとどまっており、19年比では売上げ64.5%となっている。
ディナーレストラン業態は、中規模の歓送迎会およびインバウンド客と個人客の増加が売上げと客単価を下支えし、売上げは136.2%となったが、大口の法人利用はまだ期待できず、19年比では売上げ89.1%となっている。
喫茶業態は、マスクの着用が個人判断に委ねられるなど、コロナの規制緩和が一段と進み、客足は回復傾向で売上げは127.5%となった。