7月百貨店統計｜売上高4758億円8.6%増･客数9.7％増/17カ月連続でプラス

(一社)日本百貨店協会(東京都中央区、村田善郎会長)が2023年7月の「全国百貨店売上概況」を発表した。調査対象は70社181店で、前月から増減なし。

7月の売上高は4758億2943万円で既存店前年同月比8.6%増、客数は入店客数9.7％増と、共に17カ月連続でプラスとなった。コロナ前の2019年比では1.5％減と前月より3.6ポイント改善しており、回復基調が鮮明になってきた。

猛暑や旅行需要などにより盛夏商材が牽引したほか、高付加価値商材も好調だった。

増勢が続くインバウンドは、2019年実績も超えて売上全体を底上げした。各社が企画したファミリーイベントやアニメ展、食品催事や外国展等各種企画も奏功した。

顧客別では、インバウンドが206.6%増(16カ月連続／シェア6.6％)、売上高313億円と、コロナ禍の2020年2月以降で最高額を更新した。2019年比でも2桁増の11.4％増と、コロナ前の実績を大きく超えた。

国内市場は3.9％増(17カ月連続／シェア93.4％)と好調に推移している。2019年比では2.3％減だが、減少幅は前月より3.0ポイント改善した。

地区別では、都市(10都市／22カ月連続)が、インバウンド効果と、高額商材の高伸などから、全地区で前年実績をクリアし、11.0％増と前月に続き2桁の伸びを示した。地方(10都市以外の7地区)も5地区で前年実績を超え、1.6％増と3カ月ぶりにプラスに転じた。

商品別では、主要5品目全てで前年実績を超えた。衣料品は10.7％増、身のまわり品は16.0％増。

主力の衣料品ではクリアランスのセール品以上に実需品へのニーズが高く、定価販売のプロパー商材も健闘した。身のまわり品では、バッグやアクセサリー、旅行用品、日傘などがよく動いた。国内外ともに好調だった化粧品は、UVケアやメイクアイテムが伸長し、食料品は、手土産やギフト、インバウンド需要などから菓子が好調だった。中元商戦は自家需要の高まりもあって堅調に推移した。