5月外食統計|全店売上高10.8%増/大型連休や大阪・関西万博効果で堅調
(一社)日本フードサービス協会(東京都港区、久志本京子会長)が2025年5月度の「外食産業市場動向調査」を発表した。調査企業数は220社、店舗数は3万6213店舗。このうちファーストフードは2万1074店舗で、全体の58.2%を占める。
5月の外食全体の売上げは前年同月比110.8%、店舗数は100.7%、客数104.9%、客単価は105.6%だった。5月は、大型連休が飛び石連休となったが、むしろ近場での人出が増えて連休中の需要は堅調に推移した。連休明け以降の落ち込みも比較的少なかった。インバウンド需要が引き続き好調で、大阪周辺の繁華街やターミナル駅立地では、大阪・関西万博の集客がプラスに働いた。
人手不足の常態化と原材料価格の高騰が続くなかで、外食事業者も値上げせざるを得ない状況にあると、消費者には理解されるようになってきたが、先行き不透明の状況下で実際にはぎりぎりの調整が続いている。
ファーストフード業態の売上げは111.8%。「洋風」は、人気キャラクターとのコラボ商品やお得なランチメニューなどが好調で 115.2%。「和風」は、客数がやや弱かったものの、週替わりの定食メニューなどが好調で109.9%。「麺類」は、気温の上昇とともに冷たいメニューが伸びたほか、うどん業態では無料トッピングの拡充が好評で 111.1%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、引き続き値上げの影響で客数が伸び悩んだが、客単価上昇で 105.8%。
ファミリーレストラン業態の売上げは110.4%。大型連休や母の日などのハレ需要が例年通りの賑いとなったほか、引き続き、低価格業態やお得なセットメニューが好調で、「洋風」は108.5%。「和風」は、食べ放題の店舗が引き続き好調。一部とんかつ専門店ではインバウンド需要が旺盛で 111.4%。「中華」は、各種キャンペーンの好調が続き、116.3%となった。「焼き肉」は、若年層向けのフェア開催により平日集客が好調で 109.6%となった。
パブ・居酒屋業態の売上げは104.8%。月後半を中心に客足が戻った。勢いのあるインバウンド需要と、大阪・関西万博の集客のお蔭もあり、好調に推移した。
ディナーレストラン業態の売上げは108.0%。引き続きお得感のある平日ランチメニューやインバウンド需要が好調だった。また、万博開催中の大阪周辺ではホテル立地の店舗が好影響を受けた。
喫茶業態の売上げは109.7%。 原材料価格の高騰に起因する価格改定が客足に影響するところもあったが、関西地区のターミナル駅立地では万博需要もあり、堅調に推移した。