[6月の商業販売統計調査]百貨店3.3%、スーパー1.1%、コンビニ4.9%の前月比増加
経済産業省が毎月調査発表している商業販売額統計。
政府が正式に使う「商業」とは小売業と卸売業のこと。
その6月の速報値は、総売上高38兆500億円。前年同月比マイナス0.7%。
このうち小売業は11兆3510億円で、前年同月比マイナス0.6%。
卸売業は26兆6980億円で、同じくマイナス0.7%。
小売業と卸売業の売上比率をWR比率という。
一番単純な方法は、卸売販売額を小売業販売額で割り算して計算するが、それは2.35。
まだまだ流通経路の多段階性や複雑性が解消されてはいないことがわかるが、2.35の数値は悪くはない。
この商業販売額の季節調整済前月比は、マイナス0.7%。
小売業の前月比はプラス0.4%だが、卸売業はマイナス1.3%。
前月比では明暗が分かれた。
小売業をちょっとだけ詳しく見ていく。
業種別にみると、各種商品小売業(百貨店など)が前年同月比でマイナス3.0%。
織物・衣服・身の回り品小売業が同じくマイナス2.5%。
飲食料品小売業はプラス1.6%で、医薬品・化粧品小売業もプラス0.8%。
これで分野別の動向は分かる。
さらに6月の大型小売店販売額は1兆6317億円で、前年同月比マイナス1.2%。
ここでいう大型小売店は1500㎡以上の小売業。
その内訳は百貨店が5400億円の売上高で、前年同月比マイナス3.3%。
1500㎡以上のセルフサービス店「スーパー」は1兆917億円でマイナス0.1%。
この大型小売店の商品別動向は、衣料品はマイナス6.4%、飲食料品はプラス2.4%、その他はマイナス4.0%。
季節調整済前月比は、大型店全体でプラス1.7%。
百貨店はプラス3.3%、スーパーもプラス1.1%。
大型小売店の中の既存店の動向はマイナス1.8%。
このうち百貨店の既存店数値はマイナス2.4%。
1500㎡以上のスーパーの既存店はマイナス1.4%。
既存店はいずれもマイナス。
つまり新店を出さない限り売上高の増加は見込めないという現実。
一方、コンビニコンビニエンスストアの6月の売上高は、8682億円で、
前年同月比プラス4.9%。
商品別には、ファーストフード及び日配食品が3204億円で、プラス10.6%。
弁当・惣菜・調理パンや日配品は二桁の増加。
加工食品は2316億円で、同プラス4.3%、非食品が2721億円で、同プラス0.7%。
コンビニ全体の商品販売額は8240億円でプラス5.4%。
だが意外なことだがサービス売上高は441億円で、マイナス2.5%。
各分野の協会から月度調査報告が発表されるが、これは経済産業省調査。
一応、国の調査であって、一番の権威がある。
権威があるからと言って正確であるとは限らないが、
しかしそれでも国の統計は様々な政策に反映される。
その意味でも重要な統計数値ということになる。
もちろん毎月連続してとっている統計だから、トレンドはよく分かる。
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