【2月外食産業】売上高は5.5%増! 小売業を上回ったか?!

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が2月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を 業界全体及び業態別に集計した結果を報告している。外食産業は食品小売業の水先案内人。さて、その動向やいかに?

協会発表では、今年の2月はうるう年のため、営業日数が1日多く、「その影響で売上げが2~3%アップした」となる。日によっては寒暖の差が大きく一部客足に影響も出たが、全体売上高は5.5%プラスとなり、3カ月連続して前年を上回った。

下記参考資料によると、休日日数は前年と同じ5日。東京都は雨天日数3日と前年より5日も少なかった。また平均気温は東京都は1.5℃、大阪府は0.5℃と共に前年より高かった。

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 (表はすべて(社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査より)

業態別概況

<ファストフード業態>
全体売上高はプラス9.6%と前年同月比を大きく上回った。
洋風――売上高はプラス16.3%。店舗数は▲3.2%と減少したが、客単価10.2%、客数も5.5%とプラスとなり好調。異物混入問題の回復と各社キャンペーンメニューが効果を上げたためである。
和風――定食メニューが好調で、売上高7.8%、店舗数1.1%、客数5.2%、客単価2.5%とすべてプラスとなった。
麺類――売上高3.9%、店舗数2.5%、客数0.7%、客単価3.1%とすべてプラス。売上高6.9%のプラスだった前月に比べると少し伸び率が下がったが、堅調に推移している。
持ち帰り米飯・回転寿司――値引きセールは好調だったものの、売上高0.5%と前年並み。客単価は3.3%プラスだったが、店舗数は▲3.2%、客数も▲2.7%と減少した。
その他――売上高5.1%増。店舗数、客数、客単価すべてがプラスとなった。カレーは好調だったが、寒暖の差をうけてアイスクリームは不調に終わった。

<ファミリーレストラン業態>
全体売上高はプラス2.7%となり、店舗数、客数、客単価すべてプラスとなって好調。
洋風――売上高プラス1.5%。比較的単価が低めの店が売上げを伸ばした。
和風――折込み広告などの販売促進で成果があがり、売上高2.6%のプラス。
中華――クーポンの配布、メニュー改定による客単価の上昇で、売上高は2.1%アップ。
焼き肉――売上高8.5%増と相変わらずプラスを維持。店舗数2.1%、客数5.2%、客単価3.1%とすべてがプラスとなり、焼肉の人気は続いている。ファミリー需要を中心に客数が増えている。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――キャンペーンイベントが好調で売上高2.6%のプラス。
居酒屋――店舗数が▲9.1%と大幅に削減され、客数、客単価もマイナスとなり、引き続き不調が続いている。すべての項目がマイナスなのはこの業態だけだ。

<ディナーレストラン業態>
大型の新店が好調で売上高6.4%増。店舗数は5.9%、客数も6.6%とプラスだった。しかし客単価は▲0.1%のマイナスとなり、少しだけ節約傾向となった。

<喫茶業態>
暖かい日に集客数が上がったと回答した店も多く、売上高3.2%、店舗数0.9%、客数2.4%、客単価0.8%プラスとなり、すべての項目で前年を上回った。
 
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2月の外食産業業態別の結果を売上高伸長率順にまとめると、
ファストフード9.6%
ディナーレストラン6.4%
喫茶3.2%
ファミリーレストラン2.7%
唯一マイナスだったのは、このところ不調が続いているパブ・居酒屋業態▲6.0%。これも内訳はパブが売上高2.6%プラスと健闘しているので、居酒屋が足を引っ張っている状態だ。

2月の外食産業も小売業と同じで、うるう年が要因でプラスを維持することになったが、その1日分を勘案しても、5.5%のプラスは比較的好調だったといってよいだろう。
小売業は既存店の比較だが、食品スーパーマーケットがプラス4.0%、総合スーパーが3.4%、コンビニがプラス1.6%、百貨店がプラス0.2%だった。

外食産業は日本に約50万軒あって、そのうち1割の5万軒が閉鎖し、新たに5万軒が出店するといわれる。だから比較可能な既存店の実績を出すこともなかなか難しい。新陳代謝の激しい産業という面では、小売業の水先案内人であることは間違いない。消費増税10%と軽減税率導入も怪しくなってきただけに、フードサービス業全体に元気が出ているのかもしれない。

 
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