【4月外食産業】ディナーレストラン、ファストフード好調で3.0%増
一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が4月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を 業界全体及び業態別に集計したもの。食品小売業および食品産業の水先案内人ともいえる外食産業の4月の結果を見てみよう。
業態別概況
<ファストフード業態>
全体売上高は前年同月比プラス6.3%となり絶好調。
洋風――各社キャンペーンメニューが好調で、売上高はプラス10.6%。
和風――売上高8.0%、価格訴求力のあるメニューで客足が伸びた。
麺類――客数は▲0.3だったものの、店舗数3.3%、客単価1.5%のプラスとなり売上高は1.2%増。
持ち帰り米飯・回転寿司――花見需要を取り込んだが、店舗数、客数のマイナスが影響し売上高▲2.7%と前年を下回った。
その他――売上高プラス7.4%と好調。アイスクリーム、カレーはメディア露出があり順調。
<ファミリーレストラン業態>
全体売上高は0.8%プラス。前月、35カ月ぶりに前年を下回ったが、4月は焼き肉系がけん引し、プラスを確保した。客単価0.8%、店舗数0.2%とプラス。客数は0.0%で横ばい。
洋風――売上高▲0.8%。店舗数、客数、客単価もすべてマイナスだった。
和風――すべての項目でプラス。売上高2.8%、店舗数1.5%、客数1.3%、客単価1.5%増。
中華――客単価は0.4%プラスだったが、店舗数、客数がマイナスで売上高も▲1.2%。
焼き肉――売上高7.2%プラスとなり好調。店舗数2.3%、客数5.4%、客単価1.7%とすべてプラス。歓迎会などのイベント需要をうまく取り込んだ。
<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――売上高2.9%プラス。店舗数5.2%、客数3.8%増。しかし客単価はマイナス0.8%。客数増が売上増に寄与した。
居酒屋――店舗数▲9.9%減少の影響で売上高も▲11.1%。引き続き不調が続いている。
パブ・ビアホールはプラス2.9%だが、居酒屋が▲11.1%のマイナス。居酒屋の二桁マイナスが足を引っ張った。
<ディナーレストラン業態>
売上高6.9%増。インバウンド需要や店舗数の増加が大きなプラス要因。店舗数・客数・客単価もすべてプラス。
<喫茶業態>
新商品の発売や季節メニューの販促に努めたが売上高は▲0.1%。
4月の外食産業業態別の結果を売上高伸長率順にまとめると、
ディナーレストラン6.9%、ファストフード6.3%、その他4.3%
ファミリーレストラン0.8%、喫茶▲0.1%、そしてパブ・居酒屋業態▲8.7%。
4月は、全国的に雨が多く、また熊本地震の影響も一部あったが、土曜日が1日多い曜日回りとファストフードが好調だったことにより、売上高は3.0%のプラスとなった。
6月1日の今日、ウェンディーズ・ジャパン(東京都港区)は、サントリーホールディングスの100%子会社「ファーストキッチン」の全株式を6月30日付で取得すると発表した。買収額は数十億円とみられ、ファーストキッチン社長にはウェンディーズ・ジャパンのアーネスト・M・比嘉最高経営責任者(63)が就任する。
ウェンディーズ・ジャパンは、2015年3月以降、ファーストキッチンとのコラボレーション店舗として「ファーストキッチン・ウェンディーズ」を2店展開してきたが、今回の買収後は、一部のファーストキッチン店舗をこのコラボ店舗に切り替えていく予定だ。好調なファストフードで経営統合が発生する。どうやら水先案内人は、風を受けて、スピードを上げつつあるようだ。
安倍晋三首相が来年4月の消費増税を2年半、先送りする方針を出した。それに伴って、軽減税率導入も延期される。小売業側からもこれには反対の声が出ていたが、外食産業はそれ以上に打撃をこうむる。その延期がほぼ決まりつつあって、フードサービス業に従事する人々には元気なマインドが満ち溢れている。
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