【6月外食産業】売上高2.0%増、ファミレス前月▲2.0から0.4%増へ

一般社団法人日本フードサービス協会(JF)が6月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は新規店も含めた「全店データ」を業界全体及び業態別に集計したもの。有効回収の事業社数は188社で店舗数は3万2994店。食品小売業および食品産業の水先案内人ともいえる外食産業の6月の結果を見てみよう。

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業態別概況

<ファストフード業態>
全体売上高は前年同月比プラス4.8%となり好調を維持。
洋風――売上高はプラス5.9%。キャンペーンメニューが売上げを伸ばした。
和風――クーポンやキャンペーンが貢献し客数が8.2%増と大幅な伸び。売上高も7.8%プラス。
麺類――夏メニューが高気温の日に売上げを伸ばし、売上高プラス6.7%。
持ち帰り米飯・回転寿司――店舗数▲3.0%、客足▲3.7%と振るわず売上高も▲2.1%。唯一客単価は1.7%のプラスとなった。
その他――売上高プラス2.4%。値下げや付加価値メニューの訴求などで客単価が3.5%増。しかし毎月好調だったアイスクリームとカレーは客足が伸びなかった。

<ファミリーレストラン業態>
全体売上高は0.4%プラス。前月が▲2.0%だったので、回復傾向。
洋風――価格訴求力のあるメニューは好調だったが、店舗数が▲0.2%減となり売上高も▲0.6%と振るわず。
和風――ランチ時間帯が堅調で、売上高1.1%プラス。他の店舗数、客数、客単価もプラスとなった。
中華――店舗数▲1.6%と削減されたことが大きく影響し、売上高も▲0.4%減。
焼き肉――大学生限定の学割キャンペーンなどで、売上高5.1%増と好調に推移。

<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホール――店舗数プラス2.1%、客数プラス0.8%だったが、客単価が▲1.5%減となり、売上高も▲0.7だった。
居酒屋――売上高は▲11.6%、店舗数▲8.8%、客数▲9.0%、客単価▲2.8%とすべてマイナスで引き続き不調が続いている。

<ディナーレストラン業態>
客単価は▲0.2となったが、店舗数が4.2%プラスと増加しており、売上高は2.8%プラス。

<喫茶業態>
商業施設立地の店は振るわなかったが、新メニューの投入などで客単価は2.0%増。売上高は1.1%プラスとなった。

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 (社)日本フードサービス協会・外食産業市場動向調査より)

6月の外食産業業態別の結果を、売上高伸長率順にまとめるとプラスが多い。
ファストフード4.8%、その他4.4%、ディナーレストラン2.8%、喫茶1.1%、ファミリーレストラン0.4%。
そしてパブ・居酒屋業態が唯一▲9.4%の減となった。

6月は、全体の売上高は2.0%増で7カ月連続でプラスとなった。要因としては全国的に気温が高かったこと(北海道を除く)、関東地方で降水量が少なかったことがあげられる。

ファストフードは引き続き好調で、和風7.8%、麺類6.7%、洋風5.9%、その他2.4%と数字も高い。また、前月マイナスだったファミリーレストランが0.4%プラスと回復の兆しを見せている。夏休みが始まる7月のファミリー需要にも期待ができる。

売上高、店舗数、客数、客単価すべてプラスだったのはファストフードの麺類とファミリーレストランの和風の2項目。

小売業既存店伸び率ではコンビニが0.8%だが、一番伸びた。フードサービスではファストフードが一番。消費者はスピーディで便利で低価な食品を購入する。夏に向かうこの季節に消費者が求めているもの――昨日まで報告してきた小売業業態の夏の売上げに繫がるヒントとなるトレンドがここにある。

 
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