【8月SC】売上高▲4.4%、夏期セールもアパレル中心に不調

一般社団法人日本ショッピングセンター協会から8月のショッピングセンター(SC)販売統計調査が発表された。サンプル数は510。

8月の既存SCの売上高は4977億1949万円で、前年同月比▲4.4%減となり、2カ月ぶりのマイナスとなった。テナントは3882億1875万円で▲4.3%、キーテナントは1095億0074万円で▲4.7%と、両者ともにマイナスとなった。天候不順の影響でテナント・キーテナントともに秋物衣料を中心に婦人衣料が伸び悩み。そんな中、好調だった業種は、テナントが飲食とサービス、キーテナントは食品関連だった。

立地別・構成別の下記表を見ると、すべてマイナス。中都市のキーテナントは▲8.3%ととくに不調に終わった。(表-1参照

立地別・地域別の結果は以下のとおり。(表-2参照
総合では九州・沖縄が0.0%と横ばいだったが、他はすべてマイナス。
中心地区は東北6.9%、九州・沖縄0.5%、中部0.3%の3地区でプラス。
周辺地区は唯一九州・沖縄が0.5%プラスとなったが、他はマイナスという結果。

(注)
都市規模の大都市とは札幌・仙台・千葉・東京区部・川崎・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡・北九州の各市。中都市とは上記都市を除く人口15万人以上の都市をいう。

立地区分は中心地域が人口15万人以上の都市(東京23区を含む162都市)で、商業機能が集積した中心市街地を指す。周辺地域とは、中心地域以外のすべての地域。

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(一般社団法人日本ショッピングセンター協会「SC販売統計調査報告2016年8月」より)

都市規模別・地域別の結果は、政令指定都市は「総合」で▲3.2%。
プラスだったのは仙台市6.2%、名古屋市1.8%の2都市。
仙台市は7月15日にイオンモール富谷がリニューアルした効果で前月から引き続き好調。
他の都市はマイナス。マイナス幅の少ない都市順で並べると、北九州▲1.3%、福岡市▲1.6%、大阪市▲2.4%、神戸市▲2.6%、広島市▲3.1%、京都市▲3.3%、東京区部▲3.9%、横浜市▲3.9%、札幌市▲4.8%、川崎市▲6.1%、千葉市▲12.4%。千葉市は二ケタ減。

その他の地域(政令都市を含まない地域)は「総合」で▲5.2%。
プラスだったのは、唯一九州・沖縄で0.7%。
他はマイナスで、北陸▲3.3%、中国▲3.4%、東北▲4.6%、中部▲4.9%、四国▲5.5%、近畿▲5.8%、関東▲6.4%、北海道▲8.9%。北海道は台風の影響が大きかった。

8月は、休日が1日少なかったこと、また天候不良の影響で全国的に売上げが伸び悩んだ。天候に関していえば、北日本は台風の接近・上陸、東日本は降雨量の多さ、そして西日本は連日の猛暑。日本列島、地域によっていろいろな天候の影響を受けた。また昨年のプレミアム商品券の反動、オリンピック開催中の来館者数の減少も影響した。夜中から早朝にかけてのオリンピック放送は、昼の来店行動を鈍くしたようだ。

協会では9月7日に「2016年夏期セールの販売動向」を発表している。

販売状況
1日当たり平均売上高は昨年対比▲1.7%、1日当たり平均レジ客数は▲0.7%、1回当たり客単価は▲1.3%といずれも昨年を下回った。好調と回答したのは、全体の36%。これは昨年より7ポイントの低下となった。好調、不調の要因にアパレルが挙がっており、バーゲンセールの中心であるアパレルの売上げがSCの動向を分けた。

セール開始時期
セール開始時期は、7月第1週の週末に集中し44%。とくに7月1日(金)が全体の40%で最多となった。次いで6月4週が36%と続いた。昨年は52%のSCが6月第4週に開始していたが、今年は7月1週に開始したSCが多く、昨年33%だったのに比べ11ポイント増となり、早仕掛けから実需主導へ流れが変わった。

 ■今年のセール開始時期 

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(グラフはすべてSC販売統計調査報告 2016年夏期セールの販売動向より)

セール実施期間
・セール実施期間は6日~10日間が25%と最多だった。次に16日~20日間が19%と続く。中には41日以上の長いセールを実施していたSCも7%あった。

 ■今年のセール実施期間 
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平均売上高・レジ客数・客単価
・1日の平均売上高は、3万8305円(昨年対比▲1.7%)、
・1日の平均レジ客数は1万6772人(昨年対比▲0.7%)、
・客単価は2470円(昨年対比▲1.3%)
売上げ、レジ客数、客単価すべて昨年より減少となった。

 ■ 1日当り平均売上高分布 
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 ■1日当り平均レジ客数分布 
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 ■1回当り客単価分布 
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セールに関する主な意見等

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セールに関する主な意見等で、好調要因、不調要因の上位5件が挙げられている、この中で協会が指摘する意見は下記のとおり。
1.近隣商業施設のセール開始が7月1日に集中したことでの買い回り効果により前半は好調だった。
2.セール後半は天候不順によりアパレルが不調。
3.テナント独自のセールや値引きの常態化の影響で反応が弱くなった。

いまやテナントごとにセールは日常的に開催されている。それらとの差別化にどう取り組んでいくかが今後の課題である。また天候要因は好調、不調どちらにも挙げられている。セールの目玉であるアパレル関係にとって、毎週のように台風が発生した今年の夏はダメージが大きかった。

しかし、3で指摘されているように、テナントが独自にセールや値引きをする傾向が強くなり、SC共通の販促効果が薄れたことが、一番の課題でありそうだ。

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