【1月スーパーマーケット】既存店前年同月比わずかながらプラス0.3%
2月21日に「スーパーマーケット販売統計調査 1月実績速報版」が発表された。日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査。
1月のスーパーマーケットの総売上高は8619億0887万円。既存店前年同月比はプラス0.3%と、わずかながらもプラスを継続した。
部門別は以下の通り。
1)食品合計 7690億6898万円(構成比89.2%) 0.6%
①生鮮3部門合計 3018億7528万円(35.0%) 1.1%
青果 1203億3354万円(14.0%) 4.9%
水産 789億8523万円(9.2%) ▲2.7%
畜産 1025億5652万円(11.9%) ▲0.1%
②惣菜 858億7933万円(10.0%) 1.0%
③日配 1634億0340万円(19.0%) 0.0%
④一般食品 2179億1098万円(25.3%) 0.4%
2)非食品 672億3301万円(7.8%) ▲1.6%
3)その他 256億0733万円(3.0%) ▲4.3%
生鮮3部門でプラス。一般食品も微増した。水産・畜産は正月需要が発揮されずマイナス。ノンフーズ、その他もマイナスとなった。
1月の販売動向を新日本スーパーマーケット協会副会長の増井徳太郎さんが解説した。
「総売上高では、全店では前年同月比102.2%、既存店は100.3%。全店では21カ月連続、既存店では4カ月連続で前年の実績を上回った」
「元日が日曜で、4日からの仕事始め企業が多く、昨年に続いて短いお正月商戦になった。きびしい初売りだった。とくに地方では、帰省期間が短くなったり、帰省しない人が増えたため、オードブルや寿司の売上げが悪かった。また、小売り企業では、労働環境改善のために年明けの休業日を増やしたり、営業時間を短縮したりした企業が増えた」
「1月は成人の日や受験生応援のプロモーションがあるが、こうしたイベントは近年、該当する年代の人口減少の影響があり、以前ほどのインパクトはなくなった。これらのイベントを展開しなかった企業もあったようだ」
「1月は日本海側の広い地域で大雪が降った。商品が届かない、あるいは駐車場の除雪が間に合わないなど、営業活動に大きな影響をきたした。また大雪が週末と重なった地域では、来店客数にも影響した。しかし青果の相場高と安定的成長が続く惣菜部門で、かろうじて前年をクリアした格好だ」
「保有店舗別動向では、1~3店舗は既存店が96.9%と大変きびしい結果となっている」
「部門別状況ではどうか。青果は、気温の低下、あるいは雪の影響より、葉物野菜、根菜類を中心に再び相場高に転じた。そのため小分け野菜、カット野菜を拡充した企業が多かった。また、気温が低下した地域では、鍋物関連商材がよく売れた。果物では前年が品不足や質の低下で不調だったイチゴやミカンが、今年は好調という声が多かった」
「水産は厳しい結果となった。まず、正月商戦が短かったことが響いた。雪で漁ができない、あるいは近海魚の不漁による入荷減、ノロウイルスの影響によるカキの入荷減などで仕入れ数が少なく、売場を維持するのが難しい状況が続いた。またブリを主力として売り込んだ企業が多かったが、天然ブリの入荷は少なく、養殖を中心にした展開となった」
「畜産では、相場の高騰が続く和牛は、苦戦。正月明けからは輸入牛の販売を強化する動きがみられた。豚肉相場は安定しているが、売上げとしては伸び悩んだ。また鶏インフルエンザの発生で、鶏肉が避けられる傾向にあった。しかし鍋物関連は比較的好調で、結果、畜産部門はほぼ前年並みとなった。」
「惣菜は、オードブルや寿司など、晴れの日メニューが伸び悩んだ。しかし青果が相場高だったことによって、サラダ類の堅調な動きだった。気温の低い日が続き、麺や煮物などのホットメニューが好調に推移した」
2017年は早くも2カ月が経過する。不順な天候要因に翻弄されがちだが、イベントを意識しながら、早仕掛けで季節感を演出したい。
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