5月訪日外客数統計|過去最も早いペースで累計1000万人超え、韓国は85%増
日本政府観光局(JNTO)から5月の訪日外客数が発表された。
訪日外客数は229万5000人で、2016年5月比21.2%増。昨年の189万4000人を約40万1000人上回った。5月としては過去最高。2017年1月から5月までの累計は1141万1000人となり、過去最も早いペースで1000万人を超えた。
増加要因は主に4つ。
①2016年4月に熊本地震が発生したことにより5月は旅行者が激減した。その反動。
②航空座席供給量の増加。とくに韓国は80%を超える伸びを記録した。
③香港の端午節や東南アジアの学校休暇。
④訪日旅行プロモーションの効果。
[東アジア]4カ国すべて5月としては過去最高を記録した。
韓国―55万8900人(85.0増)。航空路線の増便や祝日の日並びにより連休の確保がしやすかったことも客数を伸ばした大きな要因である。
中国―51万7100人(2.0%増)。50万人越えとなったが、伸び率は1.9%と小さかった。
台湾―40万7500人(8.5%増)。2016年は6月だった端午節が2017は5月に移動したこと、地方のチャーター便の増加などがプラス要因だったものの、航空座席供給量が減少し、伸び率は一桁台だった。
香港―18万1600人(29.7%増)。地方路線の増便による座席供給量の増加や仏誕節・端午節などで連休取得が可能な日並びとなり旅行者を増やした。
[東南アジア]
単月として過去最高を記録したのは、インドで1万5600人、伸び率も14.3%。インドは5月に全土で学校休暇が始まる。これに合わせ、旅行会社および航空会社が共同広告などで、訪日旅行プロモーションを展開したことが功を奏した。
ほかの東南アジア国では5月として過去最高を記録したのが、5カ国。タイ8万8800人(4.6%増)、シンガポール3万4300人(17.3%増)、インドネシア2万4900人(18.3%増)、フィリピン4万4000人(19.3%増)、ベトナム2万2100人( 34.9%増)。
マレーシアは3万6000人、1.5%減と唯一マイナスだった。これはラマダン(断食)開始日が6月6日から5月27日に早まったことが最大の理由。ラマダン期間中は旅行やレジャーを控えるからだ。円高もマイナス要因となった。
[豪州・北米]3カ国すべて5月としては過去最高を記録した。
オーストラリア3万2000人(7.3%増)、アメリカ12万4700人(11.4%増)、カナダ2万7600人(14.6%増)。訪日旅行のプロモーションなどによる情報発信や座席供給量の増加が、その理由。
[欧州]6カ国すべて5月としては過去最高を記録した。
イギリス2万5900人(7.7%増)、フランス2万5000人(7.5%増)、ドイツ1万7400人(4.5%増)、イタリア9800人(4.4%増)、ロシア5900人(43.6%増)、スペイン7700人(24.3%増)。各国とも訪日旅行プロモーションによる効果が大きいが、とくに特典付きや安価な航空券の販売が訪日意欲につながった。
ロシアは43.6%と増加率が高かったが、これは、2016年12月にプーチン・ロシア連邦大統領が訪日したことを機に、ロシア国民に対する短期滞在ビザの発給要件緩和措置を決定し、2017年1月1日から運用を開始したことによる。
5月はマレーシア以外の国は前年同月比プラスとなり、とくに韓国は85.0%と驚異的な伸び率となった。
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