6月外食産業統計|空梅雨で売上高4.7%増・全業態増・10カ月連続増
一般社団法人日本フードサービス協会(JF)は、6月の外食産業市場動向調査を発表した。この調査は、新規店も含めた全店を対象として、業態別に集計している。
6月の回答事業社数は190社、店舗数は3万4343店。表を見るとわかるように、ファストフードの全店舗数は1万7495店で全体の約51%と半数以上だ。また2番目に多いファミリーレストランは9759店舗で28%。あわせると約8割となるこの二つの業態の動向が、外食産業の結果を大きく左右する。
全体概況
売上高4.7%、店舗数0.5%、客数3.5%、客単価1.2%。
梅雨時なのに雨が少なかったことで客数増加となり、6月の売上高は10カ月連続で前年を上回った。雨天日を昨2016年6月と比べてみると、東京都は1日減だが、大阪府では7日も少なく、気温も全般的に多少低めで外出するにはいい気候だった。また休日、土曜日の日数は変わらなかったが、金曜日が1日多かったことが、パブ・居酒屋業態などにはプラス要因となった。
6月の外食産業の業態別の動向を、売上高対前年比の伸び率順にまとめると、ファストフード6.9%、パブ・ビアホール6.2%、ディナーレストラン3.8%、ファミリーレストラン3.0%、喫茶2.3%、居酒屋0.7%、その他2.9%とすべての業態が前年を上回った。また客数もすべてプラスとなり好調だった。
業態別概況
<ファストフード業態>
売上高6.9%、店舗数0.8%、客数4.6%、客単価2.2%。
洋風(11.7%)、和風(1.8%)、麺類(4.4%)、持ち帰り米飯・回転寿司(2.2%)、その他(3.7%)とすべてプラス。洋風は、マクドナルドのボリューム感を訴求した「ビックマック祭り」が好評で、二桁増となった。和風は季節セット、定食メニューで単価上昇、麺類は新メニューが好調だった。
<ファミリーレストラン業態>
売上高3.0%、店舗数0.6%、客数▲1.0%、客単価1.9%。
洋風(2.6%)、和風(▲0.4%)、中華(2.5%)、焼き肉(10.0%)。焼肉は、SNSでのクーポン配信や肉の日(29日)イベントの集客により二桁増と好調だった。和風は、店舗数の減少が客数に影響し、唯一マイナスとなった。
<パブ・居酒屋業態>
パブ・ビアホールは、売上高6.2%、店舗数4.4%、客数8.4%、客単価▲2.1%。
新店が好調だったこと、また金曜日が1日多い曜日回りで客数が増加し、客単価のマイナスをカバーした。
居酒屋は売上高0.7%、店舗数▲4.4%、客数0.6%、客単価0.2%。
これまでの店舗整理や業態転換の効果により、2カ月連続でプラスとなった。
<ディナーレストラン業態>
売上高3.8%、店舗数2.8%、客数4.8%、客単価は▲1.0%。
高級業態では一部振るわない店舗もあったが、店舗数の増加で客数を確保できた。また季節メニューが売上げに貢献した。
<喫茶業態>
売上高2.3%、店舗数0.7%、客数0.9%、客単価は1.4%。
プリペイドカードへのポイントアップキャンペーン効果で売上げが伸びた。また天候に恵まれたことが好調要因となった。
>全店データ(前年同月比)の表はこちらから
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