9月スーパーマーケット統計|ホット商材好調/既存店5カ月ぶりにプラス

日本スーパーマーケット協会(JSA)、オール日本スーパーマーケット協会(AJS)、新日本スーパーマーケット協会(NSAJ)の3団体の合同調査による「9月スーパーマーケット販売統計調査」が発表された。調査対象企業は全国の270社。

9月の総売上高は8640億7573万円。既存店は前年同月比0.2%増となった。9月は不漁による水産部門の不振とO157報道の影響で惣菜が減収となり、全体として売上げは微増にとどまった。

部門別の売上高、売上構成比、対前年比(店舗調整後)の数値は以下の通り。

食品合計は7774億2279万円(90.0%)+0.4%
生鮮3部門合計 2943億3220万円(34.1%)▲0.3%
・青果 1227億3351万円(14.2%)▲1.9%
・水産 723億5429万円(8.4%)▲3.2%
・畜産 992億4440万円(11.5%)+3.9%
惣菜 872億7558万円(10.1%)▲0.5%
日配 1703億5887万円(19.7%)+1.0%
一般食品 2254億5614万円(26.1%)+1.3%

非食品 637億6300万円(7.4%)▲0.2%
その他 228億9037万円(2.6%)▲1.2%

AJSの前田伸司常務理事が消費動向と販売傾向を解説した。

「9月は全店昨対比で1.8%増。既存店は5月からマイナスが続いていたが、5カ月ぶりに前年同月を上回った。全体的に気温が昨年より低かったことで、鍋商材やホット商材が順調に推移した。保有店舗数別では、規模の小さな店舗では厳しい状況が続いている」

相場安が続く野菜は、買い上げ点数が増加している。たとえば、たまねぎやじゃがいもなどの根菜類は前年の北海道産高騰の反動から単価が下落した。菌茸類や葉物野菜の動きがよく、簡便商品のカットフルーツも売上げを伸ばした。

水産は、旬のサンマや秋鮭が極端な不漁で入荷が減り、高単価となったため不調だった。しかし、比較的入荷が安定していたイワシは好調だったほか、鍋物商材に動きがみられた。刺身類はアニサキス報道による影響が続いているという現場の声もあった。

畜産は、水産カテゴリーからの需要シフトが追い風となった。気温低下で鍋物やしゃぶしゃぶなどのホットメニュー商材へのニーズが高まり、牛・豚は、国産、輸入ともに好調だった。国産豚は相場高で伸び悩んだが、ウインナーなどの加工肉は堅調だった。相場高の鶏肉は企業ごと、地域ごとに好不調の差があった。

惣菜は、O157報道により、ポテトサラダなどのサラダ類とポテトフライが不振だった。対策として量り売りを見合わせる店舗も出るなど影響が広がった。一方でホットメニューは動きがよく、旬の食材を使った弁当や丼ものが順調に推移した。寿司関連、てんぷらは気温低下やアニサキス報道により売上げ減少となった。

日配は気温の低下に伴い、おでんや鍋用の練製品を中心に和日配の動きがよかった。パン類や中華まん、炊き込みごはんも売上げを伸ばしたが、一方でアイスやチルド飲料は不振だった。

一般食品は気温が下がったことで、スープ類や鍋つゆ、麺類などの秋冬物商材が好調だった。コーヒーやお茶は順調だったが、飲料やビールなどのアルコール類は伸び悩んだ。

非食品は行楽需要や季節商材の一部に好調な動きは見られたが、ホームセンターやドラッグストアなど他業態との価格競争の影響から、売場を縮小する動きも見られた。


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