イトーヨーカ堂news|フードチェーン3領域で食品ロス削減の実証実験
(株)イトーヨーカ堂(東京都千代田区、三枝富博社長)は、(株)日本総合研究所(日本総研)、今村商事(株)、(株)サトー、シルタス(株)、凸版印刷(株)、(株)日立ソリューションズ西日本とともに、日本総研が2019年に設立した民間事業者による研究会「SFC構想研究会」の活動として、産地から小売店舗、消費者までのフードチェーン全域を3つの領域に分け、それぞれ食品ロス削減に関する実証実験を行う。
これら3つの実証実験は、経済産業省委託事業「令和3年度 流通・物流の効率化・付加価値創出に係る基盤構築事業(IoT技術を活用した食品ロス削減の事例創出)」を一部活用し、1月12日(水)から2月28日(月)まで東京都内で実施する。
国内における食品ロス量は、2019年度時点で570 万トンで、企業等が排出する事業系(309 万トン)と消費者が排出する家庭系(261 万トン)に分けられる。実証実験では、フードチェーン全域を、産地~小売店舗(実証実験①)、小売店舗(実証実験②)、小売店舗~消費者(実証実験③)の3つの領域に分けて行う。店舗はイトーヨーカドー曳舟店(東京都墨田区)を利用する。
実証実験①では青果物の新たな価値を訴求する販促による食品ロス削減を検証する。アイコトマト、なめこ、ほうれん草の3品目を対象に1月12日(水)~1月31日(月)まで行う。産地で生産者が入力した青果物の情報を販促用に加工し、店頭のデジタルサイネージや電子チラシアプリ「Shufoo!」を通じて発信する。青果物の流通状況は、生産出荷時にコンテナに取り付ける電子タグを通じて、卸売業者、小売店舗での入出荷時に把握する。電子タグを通じて青果物の流通状況をリアルタイムで追跡しながら、消費者への販促を適切なタイミングで実施する。
実証実験②ではイトーヨーカドー曳舟店において、「ダイナミックプライシング」を活用した売り切り促進による食品ロス削減を検証する。検証は1. 店舗業務の効率化、2. 効果的・効率的な売り切り促進をテーマに行う。
店舗バックヤードから店頭の価格表示を更新できる電子棚札を活用することで売価変更作業の負担軽減について検証する。また従来は1SKU=1価格であったところを、1SKUを賞味・消費期限別の複数の価格に分ける「ダイナミックプライシング」を実施する。さらに電子棚札を活用することで、より細かな金額幅での値段変更を行い、売上げや粗利益の向上、売り切り期間に変化があるかを検証する。実施期間は、1月12日(水)~1月31日(月)、2月9日(水)~2月28日(月)の計40日間。対象商品は デイリー・日配品から10SKUを選択。同じ棚に陳列される同一SKU内で、賞味・消費期限のバラツキが発生することが多いものを選ぶ。
実証実験③は「健康」を価値とした食品の購入・調理・保管の支援による食品ロス削減。検証テーマは1. 購買データを活用した購買支援、2. 消費・廃棄データの取得による在庫管理、3. データを活用した調理支援、4. ゲーミフィケーションを活用した購買促進、5. 消費・廃棄データによるデマンド型の需給予測の5項目。イトーヨーカドー曳舟店の顧客20~60 代の男女約100名を対象に、実証実験②と同じく、1月12日(水)~1月31日(月)、2月9日(水)~2月28日(月)の計40 日間実験して検証する。