PPIHnews|世界初 CA機能付き二温度帯コンテナの海上トライアル輸送開始

(株)パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都目黒区、吉田直樹社長)は、オーシャン ネットワーク エクスプレス とNAX JAPAN(株)の三社で、二温度帯対応 CA(Controlled Atmosphere)コンテナの海上トライアル輸送を共同で開始した。二温度帯対応 CAコンテナの海上輸送利用は世界初だと言う。

CA機能とは、酸素と二酸化炭素の濃度を調整し、青果などの食品の貯蔵期間を延ばすことができる機能だ。生鮮を含む食品・非食品の少量多品種による同時輸送が可能になり、輸送効率向上・コスト削減、CO2排出量削減、在庫リスク軽減によるフードロス削減などが期待される。

コンテナ庫内は中央部に開閉可能な間仕切りを備えている。冷凍機(リーファーユニット)に近い庫内は-30℃~30℃での輸送、もう片方の庫内は天井部分にサーマルファンを取り付けることで-5℃~30℃の温度帯に対応する。中央部の間仕切りは、前後に移動させて庫内の広さが調節できる。まや天井部に格納して通常のリーファーコンテナとしての利用も可能だ。

PPIHではジャパンブランド・スペシャリティストア「DON DON DONKI」を展開している。ただしタイやマレーシアなど店舗数の少ない国への輸送は少荷量のうえ、適正温度の異なる商品は別々のコンテナで輸送する必要があり、コストが高くなる点が課題だった。積載効率を上げるために多くの商品を送り込むと、在庫量が過剰になり、店頭に並ぶ前に品質低下による廃棄リスクもあった。さらに日本からアジア各国への海上輸送にはおよそ10~15日を要し、税関検査などでも時間を費やしている。この間、輸送コンテナ庫内で青果の鮮度を維持することが課題だった。

3社は、昨年11月に東京とシンガポール間で、このコンテナのトライアル輸送を実施した際に、温度や酸素・二酸化炭素濃度、湿度推移を計測している。今後も本格的な実用化に向けた3社によるトライアル輸送を実施していく予定だ。

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