イオンリテールnews|AI活用の自動発注を5月より約380店に展開

イオンリテール(株)(千葉市美浜区、井出武美社長)は独自開発した需要予測・発注システム「AIオーダー」を5月13日(土)より「イオン」「イオンスタイル」など約380店舗に導入する。

「AIオーダー」は、客数と商品の需要予測をもとに最適な発注数を提示するシステム。正確な発注数を自動で提示し、発注時間を平均で5割削減する。

AIによる客数予測や過去の販売実績とあわせて、カレンダー情報、価格、気候、プロモーション、カニバリ(類似商品)などの要素を織り込んで各品目の推奨数量を提示する。現在100店舗まで導入を進めている。対象は日配部門の約1000品目。

既存システムと比べ、部門当たり1日平均90分の発注時間が5割削減、平均80分を要する前日発注調整時間は4割削減となる。発注精度はPI値予測で最大40%の改善となる。

実証実験店舗では特に消費期限の短い生菓子、デザート、練り物では改善幅が高くなっている。また、過剰発注を防ぐことで、平均3割の在庫削減につながった。

今後、発注数が適量になることで入荷整理や品出しをはじめ、在庫管理、値引き、発注修正など業務負荷が減り、生産性向上につなげる。さらに単純作業の省人化をすることで、接客や売場整理など顧客サービス向上に直結する業務へのシフトを進める。

「AIオーダー」は既存の発注システムに埋め込む形で設計していて、新たに使い方の教育を必要とせず、投資コストも抑えることで全店への導入を容易にする。2024年以降は他の食品部門、日用品、衣料品への拡大を予定している。

システム企画本部の山村卓也本部長は「店舗とECという顧客とのタッチポイントの価値を圧倒的に高めるための取り組み。現在、店頭では『レジゴー』『AIカカク』の導入でレジ業務の省人化、売変業務の精度向上と人時削減に効果を挙げている。今回は発注に焦点を当てることで店舗業務の省力化と利益改善をさらに進める。また、こうしたデジタル化を発注から開発、製造、物流へとつなげることでサプライチェーンのDX化を進めたい」と語る。

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