アマゾンnews|ジェフ・ベゾスCEOから従業員へ向けたEメール

2021年第3四半期にアマゾン・コム(ワシントン州シアトル市)のCEOを退任するジェフ・ベゾスは2日、従業員に向けEメールでメッセージを送った。少し長いが、翻訳し掲載する。

「アマゾンの仲間たちへ

私は第3四半期に取締役会の会長となり、アンディ・ジャシーがCEOに就任します。会長として、新製品や新事業にエネルギーを注ぐつもりです。アンディは社内でもよく知られていて、私と同じくらいの期間、アマゾンにいます。彼がすばらしいリーダーになるという自信を私は持っています。

私の旅は約27年前に始まりました。アマゾンは単なるアイデアで、名前はまだありませんでした。当時、一番よく聞かれた質問は「インターネットってなに?」でした。幸いなことに、(インターネットが普及していったので)私が説明する必要はすぐになくなりました。

現在、私たちは130万人の才能ある献身的な人材を雇用し、何億人ものお客さまや企業にサービスを提供しています。世界で最も成功している企業の1つとして広く認識されています。

どうしてこのような結果を得られたのか? それは発明です。発明は私たちの成功の根源です。私たちはクレイジーなことを発明して、その後、それをノーマル(平常)にしていきました。カスタマーレビュー、ワンクリック注文、パーソナライズされたおすすめ商品、Primeの迅速な配送、Just Walk Outショッピング、Climate Pledge、Kindle、Alexa、マーケットプレイス、インフラストラクチャークラウドコンピューティング、キャリアチョイスなどさまざまなサービスを開拓してきました。正しくやれば、驚くべき発明は数年後、新しい『ノーマル』になるのです。人間はあくびをします。そのあくびは、発明者が受け取ることのできる最大の褒め言葉なのです。

アマゾンほど優れた発明実績をもつ企業を他に知りません。私たちは今、最も独創的な企業であると自負しています。従業員の皆さんも私と同じようにアマゾンの創意工夫を誇りに思ってくれていると願います。誇りに思うべきです。

アマゾンという会社が大きくなるにつれて、重要な社会問題に率先して取り組んできました。そのために私たちのもつ『規模(scale)』と『範囲(scope)』を使いました。影響力の大きかった事例が2つあります。最低賃金15ドルと気候変動の誓約です。どちらの場合も、私たちが先導して、他の企業にも追随してくれるように頼みました。そしてどちらのケースもうまくいっています。他の大企業も協力してくれています。これに関しても、従業員の皆さんがアマゾンを誇りに思ってくれるといいですね。

私の仕事は楽しく、とても有意義です。最も賢く、最も才能があり、最も独創的なチームメイトと仕事をしています。いい時代の時は謙虚で、厳しい時代の時は強くて協力的で、私たちはお互いを笑わせてきした。このチームで働くことは私の喜びです。

私はタップダンスをしながらオフィスに行くくらい、(CEO交代という)変化に興奮しています。何百万人ものお客さまがアマゾンのサービスを頼りにしてくれ、100万人以上の従業員がアマゾンで働くことで生活しています。アマゾンのCEOというポジションの責任は深く、そして大変です。そのような責任を抱えていると、他のことに注意を向けることが難しくなります。取締役会長として、私は引き続きアマゾンの重要なイニシアチブに従事しますが、CEOを退任することでDay 1基金、Bezos Earth基金、ブルーオリジン、ワシントンポストなど他の事業にも情熱を向けるための時間とエネルギーを得ることができます。私は今が、一番エネルギッシュです。引退なんてしません。これらの事業が今後もたらすであろうインパクトに心が躍っています。

アマゾンは、これ以上ない位置に立っています。世界が私たちを必要としているので、私たちはすべてのエンジンを点火します。パイプライン(まだ公にしていない事業)には、驚くべきものがあります。私たちは個人にも企業にもサービスを提供し、完全に新しい業界を2つつくり、新しい次元のデバイス(機器)を開発してきました。私たちは機械学習やロジスティクスなどさまざまな分野のリーダーですが、もし新しいアイデアにさらに別の新しいスキルが必要な場合は、それを学ぶための十分な柔軟性と忍耐力があります。

発明を続けましょう。最初はクレイジーに思えるアイデアに絶望しないでください。さまようことを忘れないでください。好奇心をあなたの羅針盤にしてください。私たちはDay1(創業初日)のままです。

ジェフ」

 

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