昨年8月上場のスプラウツ29四半期既存店連続増収で、第2四半期純利益は前年の241%!
昨年8月1日、米国ナスダックに株式上場したスプラウツ・ファーマーズ・マーケット。
スーパーマーケット業態のなかに、ファーマーズ・マーケットという新しいフォーマットを確立。
その上場後、ちょうど1年が経過したが、店頭はとにかく元気。
2013年12月期の上場後初の本決算の売上高は24億3791万ドル(100円換算=2437億9100万円)、純利益5132万ドル(51億3200万円)だったが、そのスプラウツの第2四半期、4月から6月の決算実績が発表された。
年間の4分の1の期間の売上高は7億4,381万ドルで、前年同期比19.5%のプラス。
既存店売上高は同じく前年同期よりも9.5%のプラス。
客数は5ポイント、客単価は4ポイント増。
これによって、29四半期連続既存店売上高を伸ばしたことになる。
これが店を訪れるたびに元気を積み上げていることと重なる。
日本でいう営業利益、すなわちアメリカでいう純利益 は3015万ドル。
前年同期の実績が1247万ドルだったから、なんと141.8%のプラス。
言い換えると前年比241%。
粗利益率は30.1%と前年同期と変わらなかった。
一般販売管理費 や店舗運営コストなどの経費率は0.9%改善して22.6%。
したがって営業利益率は7.5%で、これも前年同期の6.4%から1.1%の伸長。
好調だ。
1株当たりの利益も43%増加して20セント。
CEOのダグ・サンダースのコメント。
「われわれは好調な売上高持続を誇りに思っている。その売上げ増加によって収益率を改善することができた。今期、初めて南東地域に進出したが、顧客の反応は良い。
われわれの成長戦略の正当性が再確認された」
第2四半期には新店を6店開設し、第3四半期に入って既に5店をオープン。
その5店のうち2カ所はアトランタ。
アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、カンザス、ニューメキシコ、ネバダ、オクラホマ、
テキサス、ユタの各州の次にジョージア州のアトランタに進出して10州に展開中。
サンダースのいう「南東部最初の開店」である。
店舗数は2014年4月末現在で174店舗。
さらに上場による調達資金で、店舗リニューアルにも積極的だ。
新しいプロトタイプへの改装は、昨年が12店だったが、今年度もすでに13店で実施されている。
これで全店の約6割が新プロトタイプに改装されたことになる。
その新プロトタイプは、700坪~800坪の売場面積。
オーガニックやナチュラルを中心にした青果部門と穀類のバルク部門が中核。
店舗の中央に位置する青果部門の売上高は26%占め、生鮮食品は全体の50%。
ナッツ類など穀類の量り売りがバルク売場だが、これも店舗中央に位置付けられる。
入口付近にコンビニエンスフードを配置した。
これが新プロトタイプの特徴。
ビタミンを含むサプリメントなど品揃えは1万6500SKU。
グルテン・フリーや非遺伝子組み換え商品は特に好調で、それぞれ2割以上の成長。
プライベート・ブランド商品は1500SKUを超え、その既存店売上高は3割の増加。
商人舎アメリカ視察研修会では、スプラウツは欠かせない企業。
オーガニックなど健康コンセプトの企業はホールフーズ、トレーダー・ジョーに続いて、スプラウツがそのフォーマットを確立。
従来は、いずれもオーソドックスなスーパーマーケット業態として認められなかったが、そのオーソドックスではないフォーマットが絶好調だ。
まさにレース型競争時代のポジショニング戦略を象徴する企業の躍進ぶりである。
〈結城義晴〉
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