ターゲットがカナダ事業から撤退、米国事業に資本集中
ターゲットは現地時間1月15日、つまり日本時間の16日、カナダで展開する店舗をすべて撤退させると発表した。15日朝ターゲット・カナダ社はトロントのオンタリオ州上級裁判所へ企業の債権者調整法 「CCAA 」(Companies’ Creditors Arrangement Act) )の下で債権者からの保護を申請し、許可を得たと伝えている。
ターゲット・コーポレーションのブライアン・コーネル会長兼最高経営責任者(CEO)の弁。
「私はターゲットに入社したときに、チーム(社員)と株主に、会社のパフォーマンスを向上させ、変革すると約束した」
「カナダ事業のパフォーマンスとすべてのオプションを徹底的に検討したが、2021年までに収益性が改善できる現実的なシナリオをみいだすことはできなかった」
「難しい決断だったが、会社にとって正しい判断。ターゲット役員会の強い指示もあり、カナダからの撤退とアメリカビジネスのさらなる成長に向けた集中こそがビジネスとって最適だと株主とともに決断した」
ターゲット・カナダは現在、カナダ国内に133店舗を展開。約1万7600人の従業員を雇用している。そして従業員全員が退職金と最低16週間の福利厚生を受け取れるように7000万カナダドル(米ドルで約5900万ドル)の基金を設立するために裁判所の承認を求めている。
撤退費用は5億ドルから6億ドル。
11月から12月のホリデー商戦を終えた今年度のターゲットの業績は、ネット販売の好調もあり、初期計画の2%から3%へ上方修正できると見込まれている。
しかしターゲットほどの企業が、これだけのコストをかけても隣国のカナダから撤退することには、感慨を抱かずにはいられない。外国への直接投資の難しさを示したいる。もっとも米国市場へ投資を集中するということは、米国市場そのものの競争激化を示していることも確かだ。
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