5月は総合スーパー・コンビニともに既存店2カ月連続増だがサービスは明暗

昨日は百貨店の5月の売上高概況を伝えたが、
今日は22日に発表された総合スーパーとコンビニの結果を報告する。

総合スーパー

日本チェーンストア協会の5月の販売統計。
加盟企業数は59社と先月より1社減り、店舗数も51店減少して9357店。

総販売額は1兆1246億3090万円。
比較対照が可能な既存店ベースでは前年比105.7%と、2カ月連続のプラスとなった。

内訳を見てみよう。
 食料品が7136億0139万円、プラス6.3%。
 衣料品が1089億9937万円、プラス6.2%。
 住関連が2338億2696万円、プラス5.6%。
 サービス30億3704万円、マイナス2.5%。
 その他651億6614万円、マイナス0.9%。
 サービス、その他はマイナスだが、それ以外はプラスと好調。

部門別で見ると、
食料品は、相場高の影響もあり、農産品、畜産品を中心に食料品が好調に推移。
 農産品 プラス11.5%
 畜産品 プラス5.9%
 水産品 プラス3.4%
 惣菜  プラス9.9%
 その他食品 プラス4.8%となりすべてプラスだった。

 好調だった商品は以下の通り。
 農産品は、トマト、きゅうり、キャベツ、レタス、アスパラガス、カット野菜。
 果物ではバナナ、キウイ、マンゴなどの輸入果実が好調。
 畜産品は、牛肉、豚肉、鶏肉。
 水産品は、刺身の盛り合わせ、マグロ、うなぎ、あじやいわしなどの近海魚等の動きが良好。
 惣菜は、温惣菜ではスナック、揚げ物、焼き物が好調。
 要冷惣菜は、和惣菜、洋惣菜、米飯、寿司も好調。
 ほかに、乳酸発酵飲料、乳製品、食用油、調味料、飲料、アイスクリーム、麺類。  

衣料品は夏物が動き始めて以下のとおり。
 紳士衣料 プラス0.8%
 婦人衣料 ±0%
 その他の衣料・洋品 12.8%

 好調だった商品は、
 紳士衣料では、スーツ、ジャケット、スラックス、ドレスシャツ、ショートパンツ。
 婦人衣料は、フォーマル、カットソー、カジュアルパンツ、カジュアルシャツ。
 その他衣料は、肌着、ホームウエア、紳士ソックス、子供服。
 
その他の衣料が二桁の伸びとなっているのは、夏の準備がはじまったからだ。肌着、ホームウエア等の伸びが大きい。

住関品では季節商品の動きも良かった。
 日用雑貨品 プラス6.0%
 医薬・化粧品 プラス5.7%
 家具・インテリア プラス7.2%
 家電製品 プラス11.7%
 その他の商品 1.6%

 好調だった商品は、
 日用雑貨品は、紙おむつ、ボトルなど行楽用品、ペーパー類、ラップ類、女児玩具。
 衣料・化粧品は、医薬品、カウンセリング化粧品、台所洗剤、防虫剤、殺虫剤。
 家具・インテリアは、リビング家具、掛布団、タオルケット、敷きパッド。
 家電製品は、エアコン、冷蔵庫、掃除機。
 その他商品は、ペット用品、フィットネス用品、アシスト自転車、健康用品、
 スポーツシューズ、園芸用品。

5月はゴールデンウイークの影響で、日用雑貨における行楽用品の売れ行きが好調だった。また、夏に向けての準備が始まり、エアコン、タオルケット、敷きパッドなど夏用品が伸びている。これは6月以降も続く消費トレンドだ。

コンビニ 

日本フランチャイズチェーン協会の「コンビニエンスストア統計調査月報」。
上位コンビニエンスストア10社の統計。

既存店ベースでみると、
売上高は7884億5100万円、前年比プラス1.6%と、2カ月連続のプラス。
来店客数は13億3536万人(プラス0.1%)と、4カ月連続プラス。
平均客単価は590円(プラス1.5%)で、2カ月連続のプラス。

5月は全国的に降水量が少なく、平均気温が高かったことから、ソフトドリンク、アイスクリーム等の夏物商材及び、淹れたてコーヒーをはじめとするカウンター商材やおにぎりが好調に推移した。おにぎりの好調はゴールデンウイークの行楽によるもの。

既存店ベースの分野別構成比と増減動向は、次の通り。
 日配食品  35.8%(プラス2.3%)
 加工食品  27.1%(プラス1.1%)
 非食品    31.6%(マイナス1.2%)
 サービス    5.5%(プラス19.4%)

サービスが二桁のプラスを示しているのは、やはりこれもゴールデンウイークに発生した乗車券、航空券、宿泊券などの影響。

コンビニの非食品のマイナスは、たばこの売上減少かというと、そうでもない。日本たばこ協会が2015年5月の紙巻きたばこの販売実績を発表している。そ の発表データによれば5月の紙巻きたばこの販売実績は154億本で、前年同月比ではプラス0.3%。販売金額もプラス0.3%。前年同月は消費税率引上げ後の反動的影響でマイナス8.9%、4月はマイナス29.0%だった。しかし0.3%のプラスは昨年のトレンドが続いているわけで、いまやたばこ販売業態 ダントツ1位のコンビニには、この影響がダイレクトに出ているはず。

総合スーパーとコンビニの比較で見れば、どちらも2カ月連続で既存店売上高が伸びているが、総合スーパーのサービスはマイナスでコンビニはプラス。顧客は手軽で便利なコンビニのサービスをより頻繁に利用している。逆に言えば、手軽で便利で頻繁なサービスはコンビニによって開発されているが、非日常で重厚で時々のサービスは、総合スーパーによって開発されていないということになる。セブン銀行に対してイオン銀行もいい成績を上げているが、もっともっとサービスの開発は盛んに行われるべきだろう。それが総合スーパーの社会的機能を取り戻すことにもなる。

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