セブン&アイnews|2月期6兆円超/純利益1812億円(87%増)で過去最高
(株)セブン&アイホールディングス(東京都千代田区、井阪隆一社長)は、4月5日、2018年2月期の連結業績(2017年3月1日~2018年2月28日)を発表した。
営業収益は6兆0378億1500万円(前期比3.5%増)、営業利益は3916億5700万円(7.4%増)、経常利益は3907億4600万円(7.2%増)、親会社株主に帰属する当期利益は1811億5000万円(87.2%増)となった。
この営業収益対比の営業利益率は6.5%、経常利益率も6.5%。
営業収益は、スーパーストア事業や百貨店事業が減収となったものの、国内・海外コンビニエンスストア事業などの増収が寄与した。
グループ各社のオリジナル商品については、新商品開発を推進。既存商品のリニューアルを積極的に実施。品質向上と新しい価値の提案を図った。
発売開始から今年で10周年となるPBの「セブンプレミアム」の売上高は1兆3200億円(前年同期比14.8%増)となった。これが営業利益や経常利益の向上の要因となった。
以下、事業別・業態別の収支を見ておこう。
コンビニエンスストア事業の営業収益は2兆9101億8200万円(前年同期比1.1%増)、営業利益は3243億2700万円(同1.0%増)となった。
(株)セブン-イブン・ジャパン(東京都千代田区、古屋一樹社長)は、当連結会計年度末時点で2万0260 店舗(前期末比838 店舗増)を展開。今期も積極的な立地移転を実施し、新規出店における基準をより厳しく見直した。
商品については、おにぎりや麺類などの基本商品の積極的なリニューアルを継続し、更なる品質向上に取り組んだ。また、セルフ式のドリップコーヒー「SEVEN CAFÉ(セブンカフェ)」の販売数が引き続き好調だったこと、新商品であるカフェラテも提供できる新型コーヒーマシンを導入したことによって、販売は好調に推移した。その結果、既存店売上伸び率は前年を上回り、直営店と加盟店の売上げを合計したチェーン全店の売上高は4兆6780億8300万円(前年同期比3.6%増)になった。
北米の7-Eleven,Inc.は2016年12月末時点で8670店舗(前期末比37店舗減)を展開。ドミナント戦略に基づいた出店を推進するとともに、収益性の低い既存店舗や買収店舗の一部を閉店した。商品については、ファストフードやプライベートブランド商品「セブンセレクト」の開発および販売に引き続き注力した結果、当連結会計年度におけるドルベースの米国内既存店商品売上伸び率は前年を上回って推移した。また、直営店と加盟店の売上高を合計したチェーン全店売上高は、商品販売額の伸長や、ガソリン価格上昇および販売量の増加に伴うガソリン売上げの伸長により、3兆1344億1200万円(前年同期比14.6%増)となった。
なお日本のセブン-イレブン・ジャパンとアメリカのセブン‐イレブン・インクの加盟手を含めた総売上高は11兆482億円(4.0%増)と大台を超えている。
中国のセブン-イレブンは、2017年末時点で北京市に247店舗、天津市に118店舗、成都市に87店舗運営している。
スーパーストア事業(総合スーパー)の営業収益は1兆9011億6400万円(前年同期比▲2.5%)、営業利益は212億6000万円(同5.1%増)となった。
国内の総合スーパーである(株)イトーヨーカ堂(東京都千代田区、三枝富博社長)は、2018年2月末時点で164店舗(前期末比7 店舗減)を運営している。テナントミックスによる売場構成の見直しや大型ショッピングセンター「Ario(アリオ)」の改装に加え、9店舗の閉店を実施した。商品については、個店・地域特性に合わせた品揃えを拡充し、新たに安全・安心の生鮮ブランド「セブンプレミアム フレッシュ」の展開を開始するなど、差別化商品の販売を強化した。
当連結会計年度における既存店売上高伸び率は前年を下回ったが、主に衣料品の在庫適正化を図ったことで収益性が改善した。
中国における総合スーパーは、2017年12月末時点で8店舗を展開している。
国内の食品スーパーでは、2018年2月末時点で(株)ヨークマート(東京都千代田区、大竹正人社長)が首都圏を中心に78店舗、(株)ヨークベニマル(福島県郡山市、真船幸夫社長)が南東北地方を中心に220店舗を運営している。
ヨークベニマルは生鮮食品の販売を強化するとともに、子会社の(株)ライフフーズによる即食・簡便のニーズに対応した惣菜の品揃えを拡充し、安全・安心・味・品質にこだわった商品で差別化を図った。しかしながら、当連結会計年度における既存店売上高伸び率は、前年を下回った。
百貨店事業における営業収益は6578 億8600万円(前年同期比9.8%減)、営業利益は53億6900万円(同87.2%増)となった。
(株)そごう・西武(東京都千代田区、林拓ニ社長)は2018年2月末時点で15店舗(前期末比4 店舗減)を運営している。首都圏大型店へ経営資源を集中させる戦略の一環として、「そごう千葉店ジュンヌ」を2017年11月にリニューアルオープンした。また、そごう神戸店および西武高槻店をエイチ・ツー・オー リテイリング(株)へ事業譲渡し、西武船橋店および西武小田原店も閉店した。当連結会計年度における既存店売上高伸び率は、婦人雑貨や食品などの販売が好調に推移したことにより、前年を上回った。
金融関連事業における営業収益は2029億4200万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は497億1300万円(同0.8%増)となった。
(株)セブン銀行における当連結会計年度末時点のATM設置台数は、主にセブン-イレブン・ジャパンの積極的出店に伴い、前期末比985台増の2万4338台まで拡大した。
同グループでは「信頼と誠実」、「変化への対応と基本の徹底」を基本方針に掲げ、2017年10月に、2020年2月期における営業利益4500億円、ROE10%を目標とする中期経営計画を発表した。次期は計画2年目の年として、数値目標達成に向けて着実に実行して行く予定だ。