イオンnews｜8兆3900億円2.2%増･経常利益14%増の決算は過去最高づくし

イオン(株)（千葉市美浜区、岡田元也社長）が、連結子会社291社の2018年2月期の連結業績を発表した。

営業収益8兆3900億1200万円(前期比102 .2％)、営業利益13.8％増の2102億7300万円で、ともに過去最高を更新した。利益の柱である総合金融事業、ディベロッパー事業、ドラッグ・ファーマシー事業の3事業が好調で、かつSM(スーパーマーケット)事業も第4四半期に増益に転じたことで、経常利益は過去最高の2137億7200万円（14.1％増）。これにより、純利益は117. 9％増益の245億2200万円と大幅に前期から回復した。

営業収益対比営業利益率、同経常利益率ともに2.5％。

GMS（総合スーパー）事業は、営業収益が3兆842億7800万円で前期比100.6％、営業利益は前期より118億5800万円増の105億3600万円の増益だ。粗利益率の改善と経費の効率運用を進めたことで増益に転じ、イオンのなかでは最大の損益改善となった。

中核企業のイオンリテール(株)は、9店舗の新規出店効果に加え、51店舗で既存店改装を進めた。その結果、既存店の1人当たり買上点数は前期比で101.1％と改善。PB「トップバリュ」の売上げが伸長したこともあり、粗利益率が改善した。また販促費をはじめとする経費削減の取り組みから、営業損益は前期差で34億3000万円改善している。イオン北海道(株)はまいばすけっと事業やネットスーパー事業も前期対比で2桁成長し、売上高が前期比101.2％過去最高を更新した。イオン九州(株)は1.8%減、ホームセンター事業を展開するサンデー(株)は0.8%増。

SM（スーパーマーケット）事業は営業収益３兆2409億7800万円（100.7％)、営業利益307億2200万円(91.2％)。
(株)ダイエーは、業態・商品・構造改革により、2016年2月期以降3期連続で営業損益改善が進んでいる。

ドラッグ・ファーマシー事業は、営業収益6963億9200万円で前期比111. 7％の二桁増、営業利益も277億円で前期比125.6％と引き続きの好調を堅持した。ウエルシアホールディングス(株)とその連結子会社は、「ドラッグ＆調剤」「深夜営業」「カウンセリング」「介護」の４つを柱とする「ウエルシアモデル」への転換を進めた。24時間営業店舗の拡大で、既存店売上高が好調に推移した。また、即食需要に対応した弁当・惣菜の販売、フリースペース「ウエルカフェ」の設置も集客に貢献した。
2017年9月1日に、東北地方を地盤とする(株)丸大サクラヰ薬局が子会社化したことで、2月末段階の店舗数は1693店(海外含む)に拡がっている。

総合金融事業は、営業収益4080億9200万円(109.7％)、営業利益697億6600万円(112. 7％)と優等生事業である。

ディベロッパー事業も、営業収益3356億6400万円(106.2％)、営業利益515億4200万円(110 .0％)の孝行息子事業だ。イオンモール(株)は過去最高の収益を確保。海外事業では、前期までにオープンした19モール中14モールが黒字化している。

サービス・専門店事業は、営業収益7742億3700万円(101.1％)、営業利益202億6100万円（76.8％)と利益面が厳しい。そのなかで、イオンファンタジー(株)は売上高・利益ともに過去最高を記録。国内では、８店の出店、42店の活性化を行って好調だ。活性化投資をした店舗の売上高は前期比115.0％と伸長である。既存店における遊戯機械売上げが2015年9月から30カ月連続で前年同期を上回っている。また海外事業では中国で44店、アセアンで34店の活性化策が功を奏し、中国は増収増益、アセアンも黒字に転じた。

国際事業は営業収益4188億8400万円(105.1％)、営業利益2億3200万円(前期より56億3400万円の増益)と、営業黒字化を果たした。イオンマレーシア(AEON CO.(M)BHD.)は、粗利益率が改善。イオンベトナム(AEON VIETNAM CO.,LTD.)も大幅な増収増益。中国市場では、広東イオン(広東永旺天河城商業有限公司)が12月に新店をオープンし、イオングループの中国(香港含む)におけるGMS店舗は55店舗となった。前期に不振店舗を閉鎖した青島イオン(青島永旺東泰商業有限公司)も黒字転換を果たすなど、中国本土全体の業績も大幅に改善した。

グループ全体におけるプライベートブランド「トップバリュ」の売上げ実績は、7271億円（前期比101.6％）。

イオンは2018年2月期を初年度とする「イオングループ中期経営計画」を遂行中だが、初年度はすべての利益で計画値を達成したことになる。