全米で最も成長の速い小売りチェーン発表

アメリカでもっとも速い成長をしているのは?

「アップルストア」。

5日のUSA TODAYのレポート。

 

このランキングのもとになっているのは、

Stores.orgの「米国チェーンストア・ランキング

 

必要以上の出費を控える傾向にあるアメリカの消費者。

その中でも成長しているのは、ディスカウント業態の企業とオンライン販売で成長している企業、それに新規出店を続ける企業だ。

 

以下、トップ10を掲載する。

 

1. アップルストア/iTunes
【小売売上成長率(2011-2012年)】34.6%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】240億ドル(約2兆4000億円、1ドル100円換算)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】255店舗
【年間店舗増加率】4.1%

言わずと知れたアップルストア。日本でもNTTドコモから新型iPhoneが発売されると騒がれているが、そのブランド力に衰えは見えない。

 

2. AT&Tワイヤレス
【小売売上成長率(2011-2012年)】16.8%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】76億ドル(約7600億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】2300店舗

売上高は電話機やアクセサリー等の売上で、電話料金を含まない。AT&T自体は1250億ドル(約12兆5000億円)の売上高を誇る通信企業だ。

 

3. ベッド・バス&ビヨンド
【小売売上成長率(2011-2012年)】16.1%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】109億ドル(約1兆0900億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】1434店舗
【年間店舗増加率】25.5%

店舗成長率が伸びている最大の要因は、250店舗を展開するホームファッション・チェーンの「ワールド・マーケット」の買収。ところが、ベッド・バス&ビヨンド自体の既存店売上高は2010年7.8%、2011年5.9%、2012年2.7%と年々落ち込んでいる。

その原因は消費者の「ショールーミング」だと言われている。Placedというアメリカの調査会社はアマゾンによるショールーミング・リスクを公表しており、ベッド・バス&ビヨンドは最もリスクが高いとされている。

しかし、Kantar Retail社グローバル・マネージャーのアレクサンドラ・マンスフィールド氏によれば、実際にはベッド・バス&ビヨンドはアマゾンより低価格で商品を提供しているという。

大事なのは顧客の中にある企業の「価格イメージ」ということだ。

 

4. ホールフーズ マーケット
【小売売上成長率(2011-2012年)】15.6%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】113億ドル(約1兆1300億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】322店舗
【年間店舗増加率】3.5%

既存店売上高は8.7%増加。新規出店も継続して拡大。近年の成長は人気が上昇しているオーガニック製品のプロモーションによる。現在、価格に敏感な消費者に対応するために低価格アイテムを投入しているが、利益率低下を回避するために低コストで出店可能な地域に進出し始めている。

 

5.チックフィレイ
【小売売上成長率(2011-2012年)】14%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】46億ドル(約4600億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】1703店舗
【年間店舗増加率】5.4%

チキンサンドイッチ(チキンバーガー)に特化したジョージア州アトランタに本社を置く外食企業。急成長を遂げており、2012年の既存店売上高は8%も伸びた。新店も拡大しており、全体の売上高は14%増加した。

スタンドアロンの店舗からドライブスルーのみの店舗、あるいはフルサービス型の店舗と多様なレストラン形態で展開する。保有する店舗面積の大きさとバラエティに富むフォーマットが強みだ。

 

6. ロス
【小売売上成長率(2011-2012年)】12.9%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】97億ドル(約9700億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】1198店舗
【年間店舗増加率】6.6%

アパレルとホームファッションのオフプライスストア・チェーン。デパートメントストアなどから過剰在庫を買い取って、バーゲンセールをするビジネスモデルで成長。嗜好の変化の激しいティーンエイジャーへの対応に苦しむ他の小売企業を尻目に、ロスはこの世代に好機を見つけて成長している。

 

7. フット・ロッカー
【小売売上成長率(2011-2012年)】12.9%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】45億ドル(約4500億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】2406店舗
【年間店舗増加率】▲2.8%

スポーツウェアと靴の専門店チェーン。毎年60~70店の新規出店を行うとしているが、閉店数のほうが多く、店舗増加率はマイナスとなっている。事業領域を靴以外に広げようとしており、アパレルに活路を求めて店舗のリモデルを計画中だ。

 

8. ノードストローム
【小売売上成長率(2011-2012年)】12.1%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】118億ドル(約1兆1800億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】240店舗
【年間店舗増加率】6.7%

デパートメントストアをはじめ、ディスカウントストアやスペシャリティストア、オンラインストアを展開。独自のクレジットカードを発行して、顧客ロイヤルティの形成を推し進めている。

アウトレットモール専門に出店するディスカウント形態の「ノードストローム・ラック」が主力で、成長のドライバーとなっている。他の企業と同様に、ここ数カ月は価格にシビアな顧客への対応に苦慮している。

 

9. ディックス・スポーティング・グッズ
【小売売上成長率(2011-2012年)】12%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】58億ドル(約5800億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】601店舗
【年間店舗増加率】7.1%

「ディックス・スポーティング・グッズ」と「ゴルフ・ギャラクシー」の既存店売上げが伸びたほか、オンライン売上げが48.5%も伸長し、全体で12%という高い売上成長率を達成した。

 

10. TJXカンパニー
【小売売上成長率(2011-2012年)】11.6%
【アメリカ国内小売売上高(2012年)】194億ドル(約1兆9400億円)
【アメリカ国内全店舗数(2012年)】2335店舗
【年間店舗増加率】5.6%

TJXカンパニーは、オフプライスストアの「T.J.マックス」や「マーシャルズ」、ホームファッションの「ホームグッズ」を擁するグループ。

ロスと同様にデパートメントストアやメーカーなどから過剰在庫を買い取って安売りするビジネスモデルで成長してきた。最近はシエラ・トレーディング・ポスト社を買収してオンライン販売へも取り組む。

 

ディスカウント企業とオンライン企業の成長。

厳しい消費環境が続く日本に示唆を与える結果だ。

 

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