トイザらスnews|米国・カナダ事業が連邦破産法11章適用して倒産

カテゴリーキラーの代表選手として躍進した米国トイザらスが倒産した。18日に、チャプター11(米国連邦破産法11章)適用をバージニア州裁判所に申請。

今年2017年1月期決算で年商115億4000万ドル(1ドル100円換算で1兆1540億円)の大型倒産である。売上高は前年比マイナス2.2%、純利益は2900万ドル(29億円)の赤字。

店舗数は1691店だが、米国内店舗数879店、海外店舗数は812店で世界18カ国に展開する。ただし今回は、アメリカ合衆国とカナダの北米事業が倒産の対象で、日本など北米以外の国は含まれない。

1957年に創業し、玩具店を脱したキッズ用品チェーンとして躍進したトイザらスは、2005年にコールスバーグ・クラビス・ロバーツをはじめ、ベイン・キャピタル、ボルネード・リアルティ・トラストなどによって66億ドルで買収された。しかしその後も、多大な負債で資金繰りが悪化するばかり。

理由はアマゾンをはじめとするオンラインリテーラーと、ウォルマートやターゲットなど総合スーパーとの板挟みで売上げは低迷が続いた。アマゾンはもともと在庫を持たない商売で、低経費だが、それを価格に反映させた。ウォルマートは売場のアコーディオン化で、ホリデーシーズンに玩具の売場を広げ、その他のシーズンは縮小するという作戦で、トイザらスの年がら年中在庫過多商売の弱点を突いた。

同社の負債総額は50億ドルほどとなる。このうち4億ドルは短期負債で,支払い期限は2018年初頭であった。経営の悪化によって、ベンダーやサプライヤーが支払い条件を厳しくしていた。納品時の現金払いを要求している会社さえあった。

2015年にCEOに就任したデーブ・ブランドンは、ドミノズ・ピザを再建させた腕利きだった。トイザらスでは、子どもたちにインスピレーションを与えるような店舗の大胆な革新(トランスフォーメーション)を進めて、アップルストアを真似た売場づくりやシアター形式、さらにインストアイベントなど、積極導入していた。しかしこのプロトタイプ店舗も4店の実験店以降、進んでいない。

2016年1月期は124億円、2015年1月期は288億円、そして2014年1月期は1036億円の赤字だった。累積した赤字と負債がトランスフォーメーションの足枷となった。

検索ワード:トイザらス ウォルマート アマゾン トランスフォーメーション

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