日生協news|コロナ禍での暮らし・インターネットの利用状況についての調査
日本生活協同組合連合会(略称:日本生協連、東京都渋谷区、土屋敏夫代表理事会長)が「2021年度 全国生協組合員意識調査」の報告書概要版を取りまとめた。
この調査は2021年6月~7月に実施された。調査対象は、組合員数上位40位までの生協の組合員から無作為抽出した8011名で、このうち有効回答数は5478。調査票を郵送し、回答者が「紙記入」または「Web回答」から選択した。
今回の調査のなかから主に「新型コロナウイルス感染症による暮らしの変化」と「インターネットの利用状況」についてまとめた。
⑴「新型コロナウイルス感染症による暮らしの変化」について
•新型コロナウイルス感染症の流行前後の商品・サービスの購入姿勢についての質問。
「ほとんど変化はない 」が55.1%と最多。一方で、在宅需要が増加した影響か、「やや積極的になった」と「かなり積極的になった」は全体の約4分の1になった。感染症拡大後に消費を引き締めた層は「かなり消極的になった 」が4.5%、「やや消極的になった 」が12 .7%と少数派だった。世帯構造別に見ると、64歳以下の世代では 「夫婦と子ども世帯 」、65歳以上の世代では「三世代世帯」が、それぞれ「積極的になった」と回答する割合が最も高いことがわかった。
•新型コロナウイルス感染症の流行前後で食事に関して利用が増えたものについての質問。
在宅時間が増え、簡単に調理して食べられる商品が支持されたためか「冷凍食品」が38 .4%と最多となった。そのほか、コロナ禍で外食を控え、自宅での食事が増えたためか「生鮮食品(野菜、肉、魚)」(27.9%)や「テイクアウト」(23.5%)、「弁当・惣菜」(21 .8%)も上位にランクインした。一方、年代別に見ると、40代以下では「テイクアウト」が最多となり、50代以上では「冷凍食品」が最多だった。
•新型コロナウイルス感染症の流行前後で、生活に変化があったかどうかという問い。
「日常生活でストレスを感じることが 『増えた』」と回答した割合が最多の54.7%となった。また、「食事の栄養バランスなどに気を遣うようになった 」(25 .0%)や、「国産のものを買うようになった 」(18 .1%)など食意識の変化や、「家族と話す時間が増えた」(20 .6%)、「オンラインの集まりに参加することが増えた」(10.8%)などコミュニケーションの変化も見られた。なお、自分の自由に使える時間が「増えた」は14.7%、「減った」は14 .4%で、拮抗する結果となった。
⑵インターネットの利用状況について
•インターネットでの購入頻度についての質問。
在宅時間の増加や通販サイトの多様化の影響もあってか、20代以下と30代のインターネットでの買物頻度は
「月1日以上」が8割、「週4日以上」も1割いることが分かった。2018年度の調査では、生協以外のサイトで購入する頻度が「月1回以上」と回答した層は、20代以下で5割強、30代で6割強であったことを踏まえると、質問の形式が違うため単純な比較はできないものの、インターネットでの購入頻度は全体的に高まってい
るようだ。この3年間で、ライフスタイルが変化し、インターネット通販がより身近な存在となったことうかがえる。
•社会のできごとを知る手段についての質問。
年代別に2018年度調査と比較すると、「ネットのニュース」は全世代で増加しており、30代と40代では「ネットのニュース」が「新聞」と「テレビ」を上回り最多となった。なかでも40代 ・50代 ・60代 ・70代の回答率の伸びが大きく、今後中高齢層でも 「ネットのニュース 」で情報を収集する層が増えていくことが予想される。「テレビ 」は高齢層ほど利用率が高くなる傾向となったものの、20代以下で55.4%、30代で63 .8%と若年層でも利用率は高いことが分かった。近年若年層で利用が増えている、「SNS」は20代以下で33.7%とほかの世代に比べ、突出して高い結果となった。
日本生協連では、暮らしや購買に関する意識・行動など生活者の実情について明らかにすることを目指し、1994年度から3年ごとにこの調査を実施している。