アークスnews|第3Q売上高微減・経常利益6%増は地震⇒特売縮小の成果

(株)アークス(札幌市、横山清社長)は、2019年2月期の第3四半期連結業績(2018年3月1日~11月30日)を発表した。

売上高3811億3400万円は前年同期比0.03%減、営業利益103億3300万円は5.8%増、経常利益115億3200万円は6.2%増、そして純利益70億6300万円は0.5%増だった。

9月6日に発生した北海道胆振東部地震の影響で、同社が店舗を展開している北海道全域がブラックアウト(大規模広域停電)に陥り、生鮮食品を中心とした食品の廃棄を余儀なくされた。だが、地域のライフラインとして2日後の9月8日には食品を取り扱う218店舗全店が通常営業を開始した。

多くの取引先も被災したことから、一時的に商品供給が不安定となり、やむを得ずチラシ特売を縮小する期間が発生した。だが、結果としてチラシ特売の回数減少によって売上総利益率が上昇し、つまり宣伝広告費が削減された。

10月以降、買い控えが発生したものの、既存店売上高は1.0%増となった。

対売上高比営業利益率は2.7%、経常利益率は3.0%。

同社グループは「お客様第一主義 技術的特異点に備えて 全社が心技一体で 新流通戦に贏(か)つ」を年頭方針として掲げ、事業環境の変化に対応しながら、地域シェアの拡大と企業価値の向上に努めてきた。

最重要課題の「システム統合基盤構築プロジェクト」は、9月の稼働を予定していたが、震災によって一時的に中断せざるを得ず、改めて2019年3月1日から稼働することを決定した。稼働に向けて従業員の教育やトレーニングを徹底し、習熟度の向上を図っていく。

また、グループシナジーを追求する取り組みである「商流改革」と「商品調達プロジェクト」については、地域に密着した品揃えは維持しつつ、グループの規模を活かした、さらなる効果創出の実現に向けて準備を進めている。

11月からグループ事業子会社8社の特定カテゴリーにおける主要仕入先を統一した。「店舗運営情報共有会」では、利益向上・作業改善につながる好事例を共有したり、ID-POSデータを活用した販売動向分析のノウハウを共有したりして、業績向上に取り組んできた。

物流面では、前期から取り組んできた物流統合の一環として、6月から、傘下の(株)ラルズと(株)東光ストアの2社間で冷凍・冷蔵食品の共同配送を開始している。また、(株)道南ラルズにおいて、10月に惣菜センターを新設・稼働した。

組織面では、旅行事業を(株)福原から(株)エルディへ移管し、エルディに旅行課を新設した。また、安全・安心な商品やサービスを提供する体制を強化するため、「アークスグループ品質方針」を定めた。

11月にラルズが「スーパーアークス新琴似店」を、(株)ユニバースが「ユニバース矢巾店」を新規開店した。10月には「ユニバースみたけ店」を「ユニバース盛岡みたけ店」として移転し、新築オープンした。また、9月にラルズが「ラルズマート宮の沢店」を「スーパーアークス宮の沢店」として業態変更し、改装オープンした。そのほか、ラルズで5店舗、ユニバースで1店舗、(株)ベルジョイスで4店舖、(株)道北アークスで1店舗、東光ストアで4店舗の合計15店舗の改装を実施した。一方で1店舗を閉鎖した結果、11月末におけるグループの総店舗数は337店となった。

一方、持株会社のアークスは、1月15日から「アークスアプリ」の運用を開始する。

このアプリの特長は以下の4点。
⑴アークスのRARAカードと連携していて、ポイント履歴やプリカ残高など、カードの使用状況をいつでも確認することができる。
⑵お気に入り店舗を登録すると、チラシ情報や各種キャンペーンなどのおすすめ情報を閲覧することができる。
⑶地図や企業名からアークスグループの最寄りの店舗を簡単に検索できる。
⑷スマートフォンだけでなく、パソコンでも上記の機能を利用できる。

対象店舗は、北海道217店舗(ラルズ、(株)福原、道北アークス、東光ストア、(株)道南ラルズ、(株)道東アークス)と東北117 店舗(ユニバース、ベルジョイス)。

iOS(9.0以上)、Android(5.0~8.0)、PCに対応していて、ダウンロードは無料。

中部地方の(株)バローホールディングス、中国九州地方の(株)リテールパートナーズと資本業務提携を発表したアークスだが、それに伴って足元のシステム統合も進んでいる。

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