高島屋news|’20年商9191億円で0.7%微増収も経常利益25.7%の大幅減

(株)高島屋(大阪府大阪市、村田善郎社長) が2020年2月期の本決算を発表した。

営業収益は9190億9400万円(前年比0.7%増)、営業利益は255億8200万円(4.0%減)、経常利益は232億円(25.7%減)、純利益は160億2800万円(25.7%減)で増収減益だ。

営業利益率は2.8%、経常利益率は2.5%。

事業別の業績ではまず中核の百貨店事業の営業収益は、7847億7500万円の0.9%減収、営業利益は69億3800万円の20.2%減益。

国内百貨店は、消費税率引き上げ前の2019年9月には想定を上回る駆け込み需要があった。増税後の反動減は想定の範囲内だったものの、大型台風による店舗の臨時休業や2年連続の暖冬に加え、1月の新型コロナウイルス感染症の発生後、中国からの団体旅行客が急減し、インバウンド売上げは急激な減少となった。加えて、不要不急の外出や集会を避ける政府からの要請により、来店客数は減少し、以降、売上高は前年を大きく下回っている。

店舗施策として、日本橋店の改装に合わせて約6000㎡の屋上庭園や新しい車寄せ、新たな文化発信拠点「髙島屋史料館TOKYO」など、憩いのスペースや生活文化を提案する施設などを導入した。横浜の港南台店は2020年8月に閉店することを決定した。また、米子高島屋は2020年3月に地元企業に全保有株式を譲渡したが、商標等ライセンス契約を締結し、店舗運営のための事業支援をしていく。

海外では、「シンガポール高島屋」が改装効果によって売上高を伸ばしたが、IFRS第16号適用による会計方針の変更のため賃料収入が減少し、減収増益となった。昨年8月に予定を変更して営業継続を決定した「上海高島屋」はセールの売上げ効果もあって現地通貨ベースでは増収増益となったが、為替の影響により減収増益となった。「ホーチミン高島屋」は現地経済の拡大に加え、季節催事が好調で増収増益だった。開業1周年を迎えた「サイアム高島屋」は交通インフラ整備の遅れもあって苦戦が続いているが、現地の顧客ニーズを捉えたMDの再構築を進め、早期黒字化を目指す。

商業開発業の営業収益は455億3100万円(4.2%増)、営業利益は99億2200万円(5.4%増)だった。

開店50周年を迎えた「玉川髙島屋S・C」の屋上庭園の改装や、食料品フロア全体のリニューアルを実施した。また、流山おおたかの森駅周辺エリア(千葉県流山市)では、新たに3施設の開発を推進し、2020年1月には駅前広場と一体となった商業施設の開発に着工した。

金融事業の営業収益は174億5700万円(9.8%増)、営業利益は48億7800万円(10.4%減)。

高島屋クレジット(株)が大型各店においてカード即日発行サービスを開始するなど、会員数および手数料収入の増大に努めた。しかし、外商専用の新カード「タカシマヤカード≪プレミアム≫」の発行に伴う一時費用や、2020年3月の高島屋クレジットと髙島屋保険(株)の合併にかかわる諸費用が発生したことなどから、増収減益となった。

現時点では不確定要素が多く、2021年2月期の連結業績予想については、未定としている。

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