イオンモールnews|第1Q営業収益528億円35%減・経常利益92%減で赤字
イオンモール(株)(千葉市美浜区、岩村康次社長)が2021年2月期第1四半期の業績を発表した。
営業収益は527億9000万円(前年同期比34.6%減)、営業利益24億7100万円(83.7%減)、経常利益10億5100万円(91.8%減)で、四半期純損失は134億7600万円(前年同期は79億9100万円の利益)の赤字となった。なお、一時休業期間中の固定費等については、新型コロナウイルス感染症による損失として158億1800万円を特別損失に計上した。
営業利益率は4.7%、経常利益率は2.0%とCOVID-19感染拡大の影響が著しい。
同社では、経営理念の実現と、さらなる事業成長を遂げるため、2021年2月期を初年度とする中期経営計画(2020~2022年度)を策定している。
具体的には、「海外における高い利益成長の実現」「国内における安定的成長の実現」「成長を支えるファイナンスミックスとガバナンス体制構築」「ESG経営の推進」の4つの施策を掲げて、持続的な成長と収益性の向上を目指している。
初年度となる当第1四半期は、新型コロナウイルス感染症の世界規模での拡大によって、同社が出店している日本国内はもとより中国やアセアン諸国において、行政による要請や感染拡大防止への配慮からモールの営業時間短縮や臨時休業を実施した。また、各国での営業再開にあたっては、顧客および専門店スタッフを含めたモール従業員の安全を最優先するという大前提のもと、感染拡大防止と安全・安心のための対策を実施した。重要な事業パートナーである専門店企業に対しては、モール営業上の制約が出ていることを踏まえ、賃料の減免等の支援を実施する一方で、休業期間におけるモールの管理・運営コストの見直しを図り、コスト圧縮に努めた。
国内事業は営業収益441億7500万円(35.6%減)、営業利益は27億1600万円(78.8%減)。日本国内では緊急事態宣言が発令されたことを受け、4月8日から7都府県で展開するモールの専門店および都市型ショッピングセンターを臨時休業し、4月18日からは同社グループが管理・運営する全国165施設全てを臨時休業した。その後、緊急事態宣言の段階的解除を受け、5月13日から順次営業を再開し、5月28日には全施設の営業を再開した。
再開にあたって、出入口へのAIによる検温器設置、売場での飛沫感染防止対策としてアクリル板やビニールカーテンの設置、来店客管理システムのデータに基づく入館制限基準の策定など、感染拡大防止と安全・安心のための対策を継続的に実施している。特に、館内の換気機能をこれまで以上に強化している。
海外事業の営業収益は86億1500万円(28.9%減)、営業損失は2億5100万円(前年同期は22億9300万円の営業利益)となった。
中国の営業収益は49億8500万円(44.5%減)、営業損失は10億1900万円(前年同期は15億8400万円の営業利益)。「北京・天津・山東」「江蘇・浙江」「湖北」「広東」の4エリアを中心に、ドミナント出店を進めている。1月の既存19モールの専門店売上高は春節(旧正月)需要を取り込んで2桁水準の伸び率で推移していた。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による武漢市の都市封鎖に伴って1月24日から同市3モールで専門店を臨時休業して以降、2月中旬にかけて中国全土で展開する全21モール中、最大11モールを臨時休業した。2月22日から3月にかけて段階的に営業を再開し、4月1日には全21モールの専門店営業を再開した。6月には、イオンモール武漢金橋(湖北省武漢市)の食物販ゾーンを20店舗から26店舗に拡大するリニューアルを実施した。
アセアンの営業収益は36億2900万円(16.1%増)、営業利益は7億6800万円(8.3%増)。べトナムでは前年度に実施したイオンモールタンフーセラドン(ホーチミン市)の増床リニューアル効果や、春節およびテト(ベトナム旧正月)期間における集客イベント、販促施策などの効果があって、1月度の専門店売上高は前期比150%を超え、好調に推移した。2月には新型コロナウイルス感染者数の拡大に伴い、徐々に集客、売上げのトレンドは低下した。3月28日からハノイ市3モール、ホーチミン市1モールの専門店営業を臨時休業したが、4月24日には営業を再開し、全5モールの営業体制となった。
インドネシアではタンゲンラン県、ジャカルタ市の専門店を3月31日から臨時休業したが、6月15日には営業を再開している。カンボジアでは、政府による外国人の入港制限等の措置はとられたものの、営業時間の短縮を実施しながら営業を継続している。