フジnews|’21年年商3154億円0.6%増・経常利益3.0%減の増収減益

(株)フジ(愛媛県松山市、山口普社長)が2021年2月期の本決算を発表した。

営業収益3153億8300万円(前年同期比0.6%増)、営業利益59億8000万円(7.9%減)、経常利益80億1200万円(3.0%減)、当期純利益41億7900万円(20.3%減)と増収減益だ。なお、同期間において「固定資産の減損に係る会計基準」に基づいて、保有する固定資産についての将来の回収可能性を検討した結果、店舗等に係る減損損失として、5億6500万円計上した。

営業利益率1.9%、経常利益率2.5%。

フジグループでは、コロナ禍で変化した顧客の消費行動や生活様式に対し、商品の調達や品揃えの拡充に注力したことで、スーパーマーケット事業の業績が堅調に推移して、連結営業収益は増収となった。

一方で、在庫やロスの削減に取り組むことで売上総利益を確保するとともに、販売促進やイベントの縮小・中止、移動制限による出張自粛、会議や研修のWebへの移行、設備投資などの計画的な削減・抑制などによって、販売費・一般管理費を節減したものの、コロナ禍での需要減に直面した子会社の損失が大きく影響して、減益となった。

フジの中心的事業である小売事業では、営業収益は3108億3800万円(1.3%増)、営業利益は62億7300万円(17.4%増)と堅調に推移した。

中核事業と位置づけるスーパーマーケット事業は、フジスーパーマーケット事業売上高が前年比7.6%増、フジマート売上高が13.4%増、フジマート四国の売上高が13.9%増と堅調に推移した。

スーパーマーケット業態では、店舗における品揃えの拡充や生産性向上を目的に、サプライチェーンの整備に取り組んでいる。2019年7月に本格稼働した鮮魚プロセスセンターにおいては、出荷金額が計画を上回って伸長している(鮮魚プロセスセンター出荷金額計画比22.6%増)。また、2020年5月には、さらなる品質の向上とチルドカテゴリーの強化を目的として、フジ松山チルドセンターとフジ香川チルドセンターを移転新設した。

6月には、今後のキャッシュレス決済利用拡大への備えと、顧客の利便性向上を目的に、8種類のバーコード決済を導入。また、現金以外の電子マネーやバーコード決済のみで支払える「キャッシュレスレジ」を8月にフジグラン高陽(広島市安佐北区)に、10月にフジグラン三原(広島県三原市)とフジグラン安芸(広島県安芸郡坂町)に導入した。コロナ禍において、非接触化へのニーズが高まったことが追い風となって、キャッシュレス利用率(買い上げ金額)が前年比で4.0%上昇した。

店舗については、2020年3月にフジ小網店(広島市中区)を新設、11月にフジ松前店(愛媛県伊予郡松前町)を移転新設した。改装は、2020年3月にフジ砥部原町店(愛媛県伊予郡砥部町)、フジグラン山口(山口県山口市)、4月にフジグラン宇部(山口県宇部市)、9月にフジ宿毛店(高知県宿毛市)、ピュアークック青葉台店(広島県廿日市市)、11月にピュアークック観音店(広島市西区)、2021年1月にフジ西宇部店(山口県宇部市)、2月にフジ夏目店(愛媛県松山市)の8店舗で実施した。

エミフルMASAKI(愛媛県伊予郡松前町)では、2020年夏から1年をかけて大規模なリニューアルを実施。ファーストオープンとして11月に新規出店18店舗を含む32店舗のテナントを、セカンドオープンとして12月に新規出店8店舗を含む17店舗のテナントをオープンさせた。

さらに、3月には(株)ニチエー(広島県福山市、11店舗)、4月には(株)サニーTSUBAKI(愛媛県松山市、3店舗)が連結子会社としてフジグループに加わった。

一方で、直営で取り扱う衣料品、アパレルや飲食業を中心とするテナントは、下期(9月~2月)に入って持ち直しの動きが見られたものの、不要不急商品に対する需要減が続いたことによる影響が残った。また、コロナ禍による店舗での密集や長時間滞在を避ける顧客の動きに加え、各種イベントの中止が大型店への集客に影響したこともあって、衣料品売上高が18.7%減、テナント売上高が11.1%減と減少した。

ノンストアリテイル事業では、3月に愛媛県南宇和郡愛南町と広島県安芸郡海田町で、4月には広島県安芸郡熊野町で、7月には広島県竹原市で、移動スーパー「おまかせくん」のサービスを新たに開始した。2月末時点で合計17店舗を拠点に、28台84ルートで営業を行っている。また、ネットスーパーにおいても、コロナ禍において利用者数が増加したことで、売上高が14.6%増加した。

小売周辺事業は、営業収益347億1800万円(3.2%減)、営業利益6400万円(98.3%減)となった。

その他事業は、営業収益76億7800万円(16.7%減)、営業損失1億7700万円(前年は営業利益3億9000万円)となった。

関連カテゴリー

決算 最新記事

一覧

最新ニュース

一覧