J.フロントnews|売上収益741億円16.8%増も営業損失38億円の赤字

J.フロントリテイング(株)(東京都中央区、松本達也社長)は2022年2月期第1四半期の連結決算を発表した。

2021年3月1日~5月31日の連結業績は、売上収益740億9700万円(前年同期比16.8%増)、営業損失38億1900万円(前年同期は271億0300万円の損失)、税引前損失44億1300万円(前年同期は284億9200万円の損失)、当期損失30億6200万円(前年同期は203億3400万円の損失)の赤字決算となった。

新型コロナウイルス感染症拡大から約1年が経過し、3月~4月中旬まで百貨店・SC事業の業績は回復基調にあったが、まん延防止等重点措置や3回目の緊急事態宣言発出に伴い、店舗の営業時間短縮や生活必需品以外の売場の営業を自粛せざるを得ない状況が続いた。さらに5月には緊急事態宣言が延長され、対象地域も拡大されたため、業績は大きく悪化した。

百貨店事業の売上収益は396億3100万円(54.0%増)、営業損失は39億2200万円(前年同期は230億6800万円の損失)。

店頭では新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響で、食品売場など一部フロアを除いて臨時休業や時間短縮営業を余儀なくされたが、デジタルを活用したオンライン接客販売や電話注文販売の取り組みを強化した。

SC事業は売上収益137億8600万円(59.2%増)、営業損失は9億5500万円(前年同期は42億4200万円の損失)。

2回目の緊急事態宣言解除以降、パルコ店舗では売上げ、入館数ともに順調に回復していたが、4月下旬に3回目の緊急事態宣言が発出され、パルコ店舗の臨時休業や時間短縮営業、エンタテインメント施設の営業休止に追い込まれた。そのため、利益確保施策、顧客対応施策としてPARCO ONLINE STOREのテナント運営サポート体制、配送料無料などの販促企画を強化した。

また、6月30日をもって完全子会社のヌーヴ・エイの全株式をリブラインベスコに譲渡することとし、株式譲渡契約を締結した。これに伴って、売却目的で保有する資産を売却コスト控除後の公正価値で測定し、それによって認識した損失を減損損失として計上した。

ディベロッパー事業は、売上収益116億4000万円(46.2%減)、営業利益8億7600万円(11.7%増)。

昨年9月の不動産事業のパルコへの一元化によって、移管された物件を活用し、3月に松坂屋流通センターの跡地に商業施設を開業した。同社グループのデベロッパー戦略の重点エリアである名古屋、心斎橋を中心に不動産開発計画を推進している。パルコスペースシステムズは、前年に対して工事の受注増となった。一方で、J.フロント建装は、オリンピック特需の反動により受注減となった。

決済・金融事業は、売上収益23億3500万円(11.4%増)、営業利益7500万円(4.0%増)。

緊急事態宣言による百貨店や外部加盟店の臨時休業日数が前年同期に比べて減少したことで、カード取扱高および加盟店手数料収入が回復した。

通期は、売上収益3650億円(14.4%増)、営業利益55億円、税引前利益20億円、当期利益10億円を見込む。

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