三越伊勢丹news|第2Q「緊急事態宣言」長引き売上高1879億円・経常損失77億円

(株)三越伊勢丹ホールディングス(東京都新宿区、細谷敏幸社長)が、2022年3月期第2四半期の決算を発表した。当期首から「収益認識に関する会計基準」等を適用しているため、適用前の前期の実績値に対する増減率は記載していない。

2021年4月1日~9月30日の業績は、売上高1879億3200万円(前年同四半期は3357億0100万円)、営業損失は77億5800万円(前年同四半期は営業損失178億1200万円)、経常損失は71億1400万円(同経常損失170億9200万円)、四半期純損失は81億3600万円(同純損失367億8600万円)で、前年同四半期に比べて赤字幅は縮小した。

主力の百貨店業は、売上高1664億7300万円(前年同四半期は3051億5300万円)、営業損失126億3600万円(前年同四半期は営業損失212億9700万円)。収益認識会計基準等の適用により、売上高は2080億7000万円減少し、営業損失は4300万円増加している。

一時回復傾向が見られたものの、7月以降は複数店舗が長期にわたって緊急事態宣言下となり、来店客数・売上げは低迷した。このような制約のある環境下においても、外商や昨年来整備した「三越伊勢丹アプリ」「三越伊勢丹リモートショッピング」などのデジタルインフラを最大限に活用した営業活動を行った。なかでも、両本店が開催したアプリ会員や外商顧客向けの限定催事の反響は大きく、計画以上の来場客数と売上げをつくった。

オンライン販売は、実店舗をもつ利点を活かしてシームレスな取り組みを進めた。催事での「ネット予約、店頭受け取り」の開始、期間限定イベントの実施、品揃えの拡大を図った。その結果、EC売上高は前年同期比で大きく伸長した。また、食品宅配の「ISETANDOOR」も、緊急事態宣言下での在宅時間拡大による内食へのニーズをつかみ、好調に推移した。

クレジット・金融・友の会業は、売上高144億8600万円(前年同四半期は150億5500万円)、営業利益は26億0600万円(前年同四半期は営業利益12億8500万円)。収益認識会計基準等の適用により、売上高は13億2800万円減少し、営業利益は2億5100万円減少している。

(株)エムアイカードは、新型コロナウイルス感染拡大が減少に転じた9月後半より回復傾向が見られたものの、グループ百貨店の一部休業・時短営業による取扱高の減少や、外出自粛にともなうグループ外加盟店での利用減少により、厳しい状況が続いた。しかしながら、販売費及び一般管理費について外部委託作業費の削減や営業施策費の効率化を進め、営業利益は堅調に推移した。

コロナ禍において、グループ百貨店におけるカード取扱高・カード会員数の拡大が見通しにくいなか、営業拡大の施策として、ApplePay・GooglePayの導入による会員利便性の向上と外部利用の促進を図った。さらに新しい顧客層獲得のためのグループ外企業との提携カード発行などに取り組んだ。

不動産業は、売上高73億9600万円(前年同四半期は148億9700万円)、営業利益24億9400万円(前年同四半期は営業利益29億9700万円)。不動産業セグメントにおいては、収益認識会計基準等の適用による売上高および営業利益への影響は軽微だった。

(株)三越伊勢丹プロパティ・デザインは、建装・デザイン事業、コンストラクションマネジメント事業において、大型商業施設やホテル・リゾート施設などの受注は堅調であるものの、コロナ禍で工事の延期などが発生した影響を受け、売上高は前年度に比べて減少した。しかしながら、個人消費行動の変化によって住宅リノベーション事業、インテリア家具事業の売上高は前年度に比べて大きく上回った。

その他の事業は、売上高245億2000万円(前年同四半期は291億4500万円)、営業損失3億1300万円(前年同四半期は営業損失7憶2300万円)。収益認識会計基準等の適用により売上高は16億6500万円減少したが、営業損失への影響は軽微だった。

旅行事業の(株)三越伊勢丹ニッコウトラベルは、7~9月の緊急事態宣言発出が国内旅行事業に大きく影響し、宣言発出前と比べて売上高が半減するなど、厳しい経営環境が続いている。そのようななかでも、新たに取り組みを始めた富裕層向けの個人手配旅行については、百貨店の外商基盤を活用した営業活動によって確実な成果につながっている。また宣言解除後の秋以降の受注は前年同期を4割ほど上回る推移を見せている。

物流子会社の(株)三越伊勢丹ビジネス・サポートは、グループ内の取り引きにおいてデジタル関連の荷受けは前年を上回ったものの、店舗関連の荷受業務・館内搬送などは減少した。グループ外向け事業については、クライアントの新規獲得と製造原価などの見直しを図ったことで、全体として売上総利益が改善し、営業利益は堅調に推移した。

通期は、売上高4350億円、営業利益30億円、経常利益30億円、当期利益30億円を見込む。

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