H2Onews｜第2Q売上高3044億円28.4％増･経常利益28億円

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)が2023年3月期第2四半期の決算を発表した。

同社グループでは、2021年12月に行った、(株)関西スーパーマーケットとの経営統合に伴い、(株)関西フードマーケット、(株)関西スーパーマーケット、(株)KSPを「食品事業」に含めている。なお、前年実績には、上記3社は含まれていない。

売上高は3044億2500万円(前期比128.4％)、収益認識に関する会計基準等適用前の売上高に相当する総額売上高は4615億4600万円(134.1％)となった。

百貨店事業では新型コロナウイルス感染症による影響は残るものの、阪急本店が好調に推移した結果、国内既存店売上高はコロナ前の水準を上回り、前年のコロナ拡大に伴う営業制限の反動で売上高は大きく伸長した。食品事業は、2021年12月に経営統合した(株)関西スーパーマーケットの新規連結などにより、連結合計で大幅増収となった。

売上高増加に伴う粗利益の増加と百貨店事業で販売費および一般管理費を計画より抑制した結果、営業利益は11億1400万円(前期は営業損失51億4800万円)、経常利益は28億3500万円(前期は経常損失41億8900万円)となった。

営業利益率は0.4％、経常利益率は0.9％。

百貨店事業の総額売上高は2204億7500万円(142.9％)、営業利益は16億2600万円(前期は営業損失40億7500万円)。新型コロナウイルス感染症第7波の影響を受けたものの、消費意欲の回復傾向を受けて、売上高は回復した。阪急本店では、通勤や外出機会の増加に伴い、婦人ファッションを中心に好調に推移した。また、高額商材も大幅に伸長した。阪神梅田本店は、4月にグランドオープンを迎え、4フロアで展開する食を中心とした体験価値の強化に取り組み、幅広い顧客層の来店につながった。

販売費および一般管理費については、新型コロナウイルス感染症に関する特別損失への振替額の減少や阪神梅田本店の開業に伴う減価償却費の増加、光熱費の高騰などにより、前年より増加した。売上増加に伴う販売手数料の増加などの影響があったものの、宣伝費の抑制などのコスト削減に努めた結果、計画を下回った。

食品事業の総額売上高は2058億3200万円(137.9％)、営業利益は16億4300万円(68.6%)。イズミヤ(株)、(株)阪急オアシス、(株)関西スーパーマーケットは、新型コロナウイルス感染症による影響が緩和され、前年の内食需要増大の反動や物価上昇が消費者心理に影響を与えたことで、各社の既存店売上高は前年を下回った。新規出店を1店舗、改装を5店舗で実施した。

イズミヤ(株)、(株)阪急オアシスでは、徹底した業務標準化・省力化による生産性向上を目指し、屋号を超えたチラシ紙面や販促施策の統一や店舗フォーマットに応じた商品MDの策定と展開などの施策に取り組んだ。

既存店売上高前年同期比はイズミヤ(株)が94.9％(客数94.7%、客単価100.2％)、(株)阪急オアシスが91.0％(客数94.0％、客単価96.8％)となった。

販売費および一般管理費については、2社ともに光熱費は増加した一方で、業務標準化・省力化への取り組みのなかで人件費等コスト削減に取り組み、前年実績、計画ともに下回った。

(株)関西スーパーマーケットでは、「健康経営」(保健師巡回による健康相談など)、「生産性の向上」(アウトパック仕入拡大、スライド棚設置、スチームコンベクション増設など)、「教育」(コンプライアンス、マニュアル・ルールのeラーニングなど)を3つの柱とし、施策を推進した。

既存店売上高前年同期比は96.5％(客数96.9％、客単価99.6％)となった。販売費および一般管理費については、光熱費が増加した一方で、消耗品費等の見直しにより、前年実績、計画ともに下回った。

惣菜やベーカリーを製造する食品製造子会社は、食品スーパー各社への卸売上げが増加した。また、専門店の前年の休業反動により売上げが伸長し、増収増益となった。

商業施設事業は、総額売上高174億9700万円(71.2％)、営業利益8億6700万円(前期は営業損失600万円)。イズミヤ店舗における衣料品・住居関連品販売およびテナント管理を行う(株)エイチ・ツー・オー商業開発において、直営売場の縮小により減収となったものの、運営効率化によるコスト削減を進めたことから増益となった。ビジネスホテルを運営する(株)大井開発では、客室稼働率の回復が進み、増収増益となった。

通期は、売上高6400億円(23.4％増)、営業利益90億円、経常利益100億円(326.3％増)、当期純利益110億円(11.4％増)を見込む。