U.S.M.Hnews|23年度営業収益7067億円0.3%減・経常利益6.0%増
ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(株)(東京都千代田区、藤田元宏社長、略称U.S.M.H)が2023年度の連結業績を発表した。
営業収益は7066億5700万円(前期比0.3%減)、営業利益が69億0700万円(8.2%増)、経常利益が69億2900万円(6.0%増)、当期純利益が10億0800万円(24.6%減)の減収だった。
売上総利益率は前期から0.4%改善したことで、営業総利益は前期比101.0%となった。販管費は、電力の使用量抑制や電力調達契約の変更等により電気料の削減が図れたものの、労務費の上昇や、ECの利便性向上対策やセルフレジを含む決済機能の多様化への対応、省力化機器の導入などの投資強化による減価償却費や、来店客数拡大策による販促費の増加などの影響から、前期比0.7%増と前年を上回った。
営業利益率、経常利益率ともに1.0%。
U.S.M.Hでは物流コストや資材価格、水道光熱費など各種コストの上昇による利益の圧迫を見据えて、サプライチェーンの改革や省力化のための物流・デジタル投資の実行など、これまでとは異なる構造への転換を急ぐ手立てを打った。
具体的にはサプライチェーン改革では、自動化・省人省力化に寄与する設備やマテハン機器を導入した共同物流センター「U.S.M.H 八千代グロサリーセンター」を、2023年9月から本格稼働した。また、製造から販売までの一貫した新たな製造小売モデルとして、2023年10月からサステナブル商品を取り扱うブランド「Green Growers(グリーングロワーズ)」のシリーズとして、「INNER COLOR DELI(インナーカラーデリ)」の販売を開始した。これは化粧品会社であるオルビス㈱と協働で企画開発を行い、連結子会社である(株)ローズコーポレーションで製造している。
デジタル施策では、2023年12月にITサービスを中心に事業を展開するベトナムのVTI JOINT STOCK COMPANYと業務提携契約を締結。「ignica(イグニカ)」をはじめとする各種プロダクト・サービスの開発を加速して、顧客価値の向上と製品展開事業の拡大を目指している。
事業会社の取り組みは以下の通り。
(株)マルエツの営業収益は3901億3800万円(前期比103.8%)、営業利益75億8300万円(206.2%)、経常利益75億2900万円(210.9%)、純利益31億1500万円(220.7%)の増収増益。
マルエツでは、顧客の利便性向上のため「オンラインデリバリー」を44店舗、「Uber Eats」サービスの提供を119店舗に拡大した。また新たな顧客接点と買物困難地域への対応として、「移動スーパー」2車両による販売を開始した。さらに、セルフレジを214店舗に拡大し、全店でスマホ決済を導入している。生産性向上施策として、電子棚札を107店舗に拡大し、需要予測型発注の運用を全店で開始した。「フードドライブ」活動は10店舗で開始して、77店舗まで拡大している。新規出店は、リンコス白金ザ・スカイ店など4店舗。
(株)カスミは営業収益2698億9100 万円(94.8%)、営業利益5億9000万円(14.8%)、経常利益25億9100万円(62.3%)、純利益15億5200万円(88.8%)は減収減益。
カスミでは、主要施策としてignica(イグニカ)ブランドのプリペイド機能付きポイントカード「Scan&Goカード」の利用率拡大に注力した。発行枚数は2024年2月末時点で119万枚を超えた。シニア、子育て層へのポイントプログラムを定期的に継続して、ポイント付与を伴うさまざまな販売施策を実施している。2023年12月には「毎日の食生活がより豊かに、より楽しいお買い物ができるお店」とする新たなフードマーケット業態のモデル店として、埼玉県上里町にイオンタウン上里店をオープンした。
マックスバリュ関東(株)は営業収益が451億8300万円(104.0%)、営業利益が4億3700万円(748.0%)、経常利益が4億1700万円(-)、純利益が2億5200万円(-)の増収。
マックスバリュ関東では、従業員一人一人の声を活かした店舗改装を2店舗で実施した。とくに2024年2月改装したマックスバリュ蕨店では、「対面販売の強化」「生鮮惣菜の強化」「当社こだわり商品の拡大」「OMOの強化」「Cafe&Dineスペースの新設」に取り組み、買物体験型スーパーマーケットとしての提供価値の向上を図った。また、2024年2月には千葉市と協業し「移動スーパー」を千葉県千葉市花見川区で運行開始している。1店舗を閉鎖した。
グループの2月末の店舗数は529店舗。