ローソンnews｜年商1兆880億円8.8%増･純利益75.5％増/増収増益

(株)ローソン(東京都品川区、竹増貞信社長)が2024年2月期の本決算を発表した。

2023年3月1日～2024年2月29日の連結業績は、営業収益1兆0879億6400万円(前期比8.8％増)、事業利益940億円(46.3％増)、税引前利益772億9200万円(64.0％増)、親会社に帰属する当期利益521億4800万円(75.5％増)、税引前利益772億9200万円(64.0％増)、親会社の所有者に帰属する当期利益521億4800万円(75.5％増)と増収、大幅増益となった。営業収益、事業利益はいずれも過去最高を更新した。

国内コンビニエンスストア事業は、営業収益7553億9700万円(前年比8.2％増)、セグメント利益697億3400万円(46.5％増)。人流が増加するなか、大変革実行委員会で進めてきた店舗改装と冷凍食品や日用品などの日常使いの商品の拡充を基盤に、各エリアカンパニーで品揃えの「幅」と在庫の「量」にこだわった売場強化を進めた。前年に本格導入を開始した「無印良品」の導入店舗数は2024年2月末日時点で1万2712店舗に拡がった。また「UberEats(ウーバーイーツ)」を含む４社のフードデリバリーサービスの導入店舗数は2024年2月末日時点で47都道府県の4884店舗。うち一般用医薬品のデリバリーサービスは22都道府県115店舗で実施している。

また、創立50周年を迎える2025年に向けて、｢新・マチのほっとステーション」を実現するためのプロジェクト「ハッピー・ローソン・プロジェクト！(ハピろー！)」を引き続き展開する。｢圧倒的な美味しさ」｢人への優しさ」｢地球(マチ)への優しさ」の３つの約束を実現するための施策を推進している。

店舗運営では、①心のこもった接客、②マチのニーズに合った品揃えの徹底、③お店とマチをきれいにする、という「３つの徹底」を強化する。一方で店舗オペレーションの効率化や廃棄ロス・水道光熱費の抑制など、加盟店利益の向上に向けた取り組みを継続している。

｢ローソン」｢ナチュラルローソン」｢ローソンストア100」の国内の出店数は280店舗、閉店数は268店舗で、2024年２月末日時点の国内総店舗数は1万4643店。ヘルスケア強化型店舗も含めた一般用医薬品の取扱店舗数は、2024年２月末日時点で309店(うち、調剤薬局併設型店舗数は45店)。また、介護拠点併設型店舗数は、2024年２月末日時点で19店。さらに、病院内コンビニエンスストアとして、コンビニエンスストアの標準的な商品やサービスに加え、医療衛生・介護関連用品などの品揃えを強化した「ホスピタルローソン」の店舗数は、2024年２月末日時点で342店。

成城石井事業は、営業収益1125億4400万円(前年比2.2％増)、セグメント利益122億4700万円(4.3％減)。

｢食にこだわり、豊かな社会を創造する」という経営理念のもと、路面、駅ビル、商業施設などに出店し、こだわりのある独自性の高い食品を提供する。2024年2月末日時点の(株)成城石井の直営店舗数は181店。コロナ禍で売上げが伸び悩んでいたオフィス店舗の売上げが回復した。商品では日配食品や自社のセントラルキッチンで製造している自家製惣菜の売上げが堅調に推移したほか、路面店舖を中心に青果、精肉、鮮魚などの生鮮品の売上げも伸長した。

エンタテインメント関連事業は、営業収益808億8400万円(前年比12.1％増)、セグメント利益65億9300万円(35.7％増)。チケット事業では、コンサートやレジャーなどのジャンルが活況となった。加えて各ジャンルで案件獲得と販売強化に注力した結果、チケットの取扱高は前期を上回った。シネコン事業を行うユナイテッド・シネマ(株)では、春の大型連休や夏休みに続き集客力の高い話題作品が公開されたことや、高単価の体感型映画上映システムの作品が好調だったことなどから、動員客数と売上げが前期を上回った。2024年2月末日時点で全国43劇場、398スクリーンを展開する。

金融関連事業は、営業収益356億8200万円(3.5％増)、セグメント利益29億6000万円(23.1％減)。ローソン銀行のATMネットワークやATMの基盤を活用したサービスの拡充に務めている。2024年2月末日時点で、全国のATM設置台数は1万3591台、１日１台当たりのATM平均利用件数は55.9件、提携金融機関数は全国で401金融機関に上る。また、ATMでの現金チャージの提携先は15社、｢スマホATM(QR入出金)」の提携先は８社、｢即時口座決済サービス」の提携先は25社(金融機関19行、サービス事業者６社)、海外送金専用カードの提携先は12社となった。

海外事業は、営業収益1146億8600万円(20.8％増)、セグメント利益25億0100万円(前年はセグメント損失49億9900万円)。中国、タイ、インドネシア、フィリピン、米国ハワイ州において、各地域の運営会社が「ローソン」店舗を展開している。中国では2023年８月に6000店舗を突破し、2024年2月末日時点の店舗数が6228店と前期末比で668店舗純増した。

来期業績予想は、KDDIによる株式公開買い付けに伴い上場廃止となるため、開示していない。