H2Onews|年商6574億円4.7%増/営業利益・経常利益は過去最高を記録

エイチ・ツー・オーリテイリング(株)(大阪市北区、荒木直也社長)が2024年3月期の本決算を発表した。

2023年4月1日~2024年3月31日の連結業績は、売上高6574億円(前年比4.7%増)、営業利益261億8800万円(130.8%増)、経常利益278億7500万円(114.3%増)、四半期純利益219億0500万円(33.7%増)だった。百貨店事業の売上伸長に伴う利益改善に、各セグメントでの増益も加わり、営業利益・経常利益ともに過去最高となった。

営業利益率は4.0%、経常利益率4.2%。

百貨店事業ではコロナ禍からの回復に伴う入店客数の増加と高額商材を中心に売上げが伸長した都心店が牽引し、国内売上高は引き続き堅調に推移した。また、インバウンド売上高は円安効果もあり過去最高となった。その結果、百貨店事業の総額売上高は5771億4000万円(前期比17.3%増)、営業利益は215億9100万円(109.6%増)となった。

阪急本店では、すべてのカテゴリーが前期実績を上回って推移した。化粧品を含めファッション全般が好調で、ジュエリーや時計、ラグジュアリーブランドファッションなどが好調なインバウンド売上げを押上げ、売上高は過去最高となった。

食品事業では曜日販促による集客施策に加え、惣菜・PB商品や重点販売商品の取り組みを強化した。その結果、総額売上高は4256億2600万円(2.3%増)、営業利益は79億2500万円(58.5%増)だった。

イズミヤ・阪急オアシス(株)の既存店売上高は4.0%増(客数2.2%増、客単価1.7%増)、(株)関西スーパーマーケットの既存店売上高は3.3%増(客数0.6%減、客単価3.9%増)となった。両社ともに値上げの影響による客単価上昇と客数の回復によって既存店売上高は前期実績を上回った。

食品製造子会社では、(株)阪急デリカアイや(株)阪急ベーカリーにおいて、グループ外への卸販売と専門店売上高が伸長し増益となったが、宅配事業では、(株)阪急キッチンエール関西の新センター立ち上げに伴う会員システムの変更の影響により減収減益となった。

商業施設事業の総額売上高は320億5600万円(9.9%減)、営業利益36億5500万円(102.2%増)。ホテルを運営する(株)大井開発では、ビジネス・観光ともに宿泊需要が回復し、客室稼働率が安定的に90%を超え、過去最高益を記録した。

イズミヤのショッピングセンター運営と衣料品・住居関連品販売およびテナント管理を行う(株)エイチ・ツー・オー商業開発は、収益力強化、費用の適正化、地域との連携強化による差別化に取り組んだ。イズミヤショッピングセンターの店舗閉鎖や直営売場の縮小によって減収となったものの、経費の抑制やテナントの売上げ拡大に向けた取り組みや新規イベント区画の設置が計画以上に進捗するなど効率的な運営を推進し、増益となった。

その他事業は、総額売上高390億4300万円(7.9%増)、営業損失2100万円(前期は営業損失31億円)。コロナ禍からの回復により専門店子会社が増収となり、持株会社である同社を除いたその他事業の子会社の営業損益は4億8200万円改善し、黒字化した。

2025年3月期は、売上高7000億円(6.5%増)、営業利益265億円(1.2%増)、経常利益265億円(4.9%減)、当期純利益260億円(18.7%増)を見込む。

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