ファストリnews|第1Q売上収益8952億円・営業利益7.4%増
(株)ファーストリテイリング(山口県山口市、柳井正社長)が2025年8月期の第1四半期決算を発表した。同社は、国際財務報告基準(International Financial Reporting Standards:IFRS)を採用している。
9月1日~11月30日の連結業績は、売上収益8951億9200万円(前期比10.4%増)、営業利益1575億5600万円(7.4%増)、税引前利益1966億1300万円(21.0%増)、四半期利益1319億6300万円(22.4%増)となった。
これは主に、国内ユニクロ事業の販売が好調だったことに加え、東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州のユニクロ事業の事業拡大が順調に進んだことによる。
その他収益・費用などで、前期は為替差益が発生していた一方、今期は為替差損が発生し、46億円の減益となった。その結果、営業利益が1575億5600万円となっている。
金融収益・費用は、ネットで390億円のプラスとなった。これは主に、外貨建資産の換算などによる為替差益が253億円発生したことに加え、利息がネットで137億円のプラスとなったことによる。この結果、税引前四半期利益は1966億13億円(21.0%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は1403億円(22.4%増)となった。
売上収益に対する営業利益率は17.6%。
国内ユニクロ事業は、売上収益が2666億円(9.0%増)、営業利益が521億円(12.1%増)と、増収増益を達成した。既存店売上高(eコマースを含む)は通期で3.2%の増収となった。既存店売上高(eコマースを含む)は7.3%の増収となった。
9月は、夏物商品の在庫を十分にもち、売り込みを強化したことで、Tシャツやブラトップなどの販売が好調だった。11月は、ヒートテックインナーやカシミヤなどの冬物防寒衣料の販売が好調だったことに加え、40周年感謝祭も大盛況となった。売上総利益率は、値引率が若干拡大し、0.2ポイント低下した。売上高販管費率は、人件費比率や賃借料比率が低下したことで、0.9ポイント改善した。
海外ユニクロ事業は、売上収益が5017億円(13.7%増)、営業利益が835億円(7.4%増)と増益となった。東南アジア・インド・豪州地区、北米、欧州は、大幅な増収増益と、好調な業績が継続している。
グレーターチャイナの中で、中国大陸は期を通して気温が高く推移した一方で、暖冬に対応した商品構成や、地域ごとのきめ細かい対応が不十分だったことで減収、大幅な減益となった。香港と台湾は、若干の減収、大幅な減益となった。
韓国は、カジュアルシャツ、スウェットなど気温に左右されにくい年間定番商品の販売が好調で、増収増益、東南アジア・インド・豪州地区も大幅な増収増益となった。Tシャツやショートパンツ、ブラトップなどの夏物コア商品に加えて、新商品の半袖のケーブルニットの販売が好調で、既存店売上高は増収となった。
北米は大幅な増収増益。カシミヤ、パフテックなどの販売が好調で既存店売上高が増収となった。この第1四半期では、テキサス州をはじめとする新規エリアへ出店し、計画を上回る好調な販売実績となった。新規エリアでの成長により、北米市場でのさらなる成長ポテンシャルを確認した。
欧州は、大幅な増収増益。冬物を早期に立ち上げたことで、シームレスダウン、カシミヤなど冬物商品の販売が好調で、既存店売上高は大幅な増収となった。9月に出店したポーランドの1号店をはじめとする新店も好調に推移している。
ジーユー事業は、売上収益が906億円(3.1%増)、営業利益が98億円(20.2%減)と増収、大幅な減益となった。この秋冬から打ち出したバレルレッグジーンズが好調だが、気温に左右されないマストレンドのヒット商品が十分になかったことや、売れ筋商品が欠品したことで、既存店売上高は前年並みにとどまった。利益面では、売上総利益率が低下し、売上高販管費比率が上昇したことで、大幅な減益となった。
グローバルブランド事業は、売上収益が357億円(2.4%減)、営業利益が18億円(373.3%増)と減収増益。これは主に、セオリー事業が販売に苦戦し、減収となった一方で、セオリー事業を含むすべての事業で売上高販管費比率が改善し、増益となったことによる。
セオリー事業は、減収増益だ。売上収益は、商品構成が顧客のニーズに十分に対応していなかったことに加え、アジア事業が消費意欲の低迷の影響を受けたことで、減収となった。営業利益は、米国事業を中心に売上高販管費比率が改善したことで、増益となった。プラステ事業は、戦略的に売り込む商品を明確にし、マーケティングと在庫を準備したことで大幅な増収、営業利益は黒字化した。コントワー・デ・コトニエ事業は、店舗数が3割減少したことで減収となったが、買い求めやすい価格帯へ見直した商品の販売が好調で、既存店売上高は2桁の大幅な増収となり、赤字幅は縮小した。
ファーストリテイリングの通期は、売上収益3兆4000億円(9.5%増)、営業利益5300億円(5.8%増)、税引前利益5850億円(5.0%増)、当期利益3850億円(3.5%増)を見込む。